中小企業もセキュリティ対策が必要!今すぐできる対策を解説
近年、情報漏洩に関するニュースは頻繁に報じられています。企業規模に関係なく、大企業も中小企業も、情報漏洩などの経営リスクに晒されていると言えるでしょう。企業はセキュリティリスクを最小限に抑え、持続可能な成長を実現するための対策を怠ってはなりません。この記事では、企業規模に関わらず実践可能なセキュリティ対策の必要性と、その具体的なアクションについて詳しく説明します。データ保護から従業員への啓蒙活動まで、中小企業が安全に事業を維持するための具体的な手法を提案します。

中小企業にもセキュリティ対策が必要な理由

企業の規模に関わらず、どのような会社でもセキュリティ対策は不可欠です。自分たちが保持する情報資産などを、情報漏洩や攻撃から保護することで信頼を維持することで、ビジネスの継続性を確保することができます。
情報は企業の大切な資源
ビジネスの世界では、「ヒト・モノ・カネ」が事業を行う上で必要な経営資源と言われていましたが、現在はそれに「情報」「時間」「知的財産」が加わり、「6つの経営資源」と呼ばれています。
特に最近では「情報」の重要性はより高まっており、さらに他の資源と異なり、流出したり、悪用されるというリスクをはらんでいます。業務データの破損やウイルスメールによる深刻な被害が企業に及ぼすリスクは決して小さくありません。業務データが失われることで、業務の停滞やクライアントとの信頼失墜が生じる可能性があります。また、ウイルスメールがシステムに侵入し、機密情報を漏洩させたり、サービス提供の中断を招いたりする危険性もあります。
経営者が負う責任

企業が、適切な情報セキュリティ対策をしていなかった場合、経営者には法的責任と社会的責任の2つのリスクが発生します。
1. 法的責任
経営者は企業の情報資産を保護し、顧客や関係者の個人情報を適切に管理する法的責務があります。もし、その対策を怠って、情報漏洩やサイバー攻撃によって損害が発生した場合は法的に責任を問われる可能性があります。例えば、個人情報保護法や企業法務に基づいて、罰金や賠償請求が課される場合があります。
2. 社会的責任
経営者は企業の信頼性を維持し、社会的に責任を果たすことが求められます。情報漏洩やサイバー攻撃により企業のブランドが損なわれると、顧客や株主からの信頼を失い、市場での競争力が低下する恐れがあります。
経営者はセキュリティ対策の重要性を認識し、適切な情報セキュリティ対策を推進することで、企業の将来と社会的信頼を守ることが求められます。
中小企業のセキュリティ対策はできるところから始める

企業の業態や規模、上場の有無などで、セキュリティ対策のレベルは異なりますが、情報処理推進機構(IPA)が公開している「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」を参考にすると、有効なセキュリティ対策を行うことができます。「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」にはチェックリストもあるので、自社の対策について漏れがないか確することができます。具体的なセキュリティ対策は、少しずつできるところから始めていきましょう。
ステップ1
情報セキュリティ5か条を実行して、社内に配布する
ステップ2
情報セキュリティに基本方針を作成
情報セキュリティの自社診断を行う
情報セキュリティハンドブックを見て具体的な対策を行う
ステップ3
情報セキュリティ管理の体制を構築し、予算を確保。
リスク対策を検討して、社内のセキュリティ規定を作成する
点検や改善を行う
ステップ4
よりセキュリティを強化するために、自社で必要な対策を追加
OSやソフトウェアは常に最新の状態にする
もっとも基本的なセキュリティ対策は、WindowsなどのOSやソフトウェアを最新の状態にアップデートしておくことです。すべてのアップデートを、早急に対応する必要はありませんが、最低限のアップデートのスケジュールを設定して管理することは必要です。
OSだけでなく、セキュリティソフトウェアやZoomなどのオンライン会議システム、会計ソフトなども定期的にアップデートする必要があります。これにより、最新のセキュリティ機能や修正が適用され、悪意のある攻撃から企業データを保護することができます。組織内で統一されたアップデートスケジュールを策定することで、混乱を避け、効率的に対応することができます。
ウイルス対策ソフトを導入する
最近の主要OSには、強力なセキュリティ対策ソフトが標準装備されているので、この標準装備のウイルス対策ソフトさえあれば、対策はほぼ十分と言えます。ただし、標準装備のウイルス対策ソフトが、正しく有効化されているかは確認しておきましょう。例えば、Windowsを利用している場合は、Windows Defenderを適切に設定しておくことが推奨されます。
これにより、コンピュータやデータを効果的に保護し、セキュリティリスクを最小限に抑えることが可能です。ただし、特定の業界規制やマルウェアやゼロデイ攻撃といった高度な脅威に対応する必要がある場合、専門のウイルス対策ソフトが必要です。
パスワードを強化する
古いパスワードは、推測や解析によって簡単に破られる可能性があります。。ID・パスワードが漏洩した場合、同じパスワードをいろんなサイトで利用していると、不正利用の被害はさらに大きくなります。
特に仕事で使っているサイトでセキュリティ対策の不備が原因で情報漏洩が発生した場合、法的な責任を問われる可能性があります。定期的にパスワードを変更すること、パスワードもできるだけ長く、複雑で、使いまわさないことが重要です。
Google Chromeのパスワードマネージャーは、インターネット上で流出したパスワードについて警告を表示する機能があります。一度流出してしまったパスワードを使いまわすことは絶対にやめましょう。
共有設定を見直す
ネットワーク接続した複合機やデータ保管サービスで、データの転送が暗号化されていない場合、ネットワークを介してデータが傍受される可能性があります。これにより、第三者によるデータの盗聴や流出が発生するリスクがあります。また、共有設定が誤って設定されていて、本来アクセスすべきでないユーザーや外部の人物が情報にアクセスできてしまうことがあります。
このようなリスクを避けるためには、共有設定の見直しが必要です。不要な共有設定を解除し、アクセス権限を適切に設定することが大切です。特に外部との共有や公開設定については、必要性を再確認し、最低限の共有にのみ実施するようにしましょう。
脅威や攻撃の手口を知る
最新のセキュリティ攻撃を知るには、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が毎年発表している「情報セキュリティ10大脅威 」をチェックすることが大切です。これは情報セキュリティの専門家や、実際に企業のセキュリティ部門に属する担当者などおよそ200名から成る「10大脅威選考会」が、審議、投票を行って選定しています。例えば2023年版では組織のセキュリティ脅威として、1位は「ランサムウェアによる被害」、2位は「サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃」が警告されていました。そのほかにも、「テレワーク等のニューノーマルな働き方を狙った攻撃」が上位にランクインするなど、世相を反映した最新のセキュリティ脅威を知ることができます。
情報セキュリティ対策チェックリストで今の状況を確認

今すぐできる!セキュリティ診断
自社のセキュリティを確認し、強化していくための第一歩として、セキュリティ診断を実施することが大切です。自分たちの会社でできる範囲で、情報漏洩や不正アクセスのリスクを評価し、それらに対する対策を検討します。セキュリティ診断をすることで、会社全体の安全性を向上させる取組に直結します。
- 従業員に守秘義務を理解してもらい、業務上知りえた情報を外部にもらさないなどのルールを守らせていますか?
- 個人所有の情報機器を業務で利用する場合のセキュリティ対策を明確にしていますか?
- 情報セキュリティ事故が発生した場合に備え、緊急時の体制整備や対応手順についての準備をしていますか?
対策の決定と周知
会社のセキュリティ対策は、アクセス管理、データ保護、システムの監視について具体的なガイドラインや規定を定めることが大切です。そして、そのガイドラインを社内で効果的に伝えるためには、従業員に対してトレーニングやセキュリティ教育を行い、セキュリティに関する意識を高める取り組みが必要と言えます。従業員がセキュリティの重要性を理解し、ポリシーに従うことで、組織全体のセキュリティレベルを向上させることができます。
本格的に取り組む

経営者自らが率先して、セキュリティ対策に取り組むことは非常に大切です。それにより、組織全体にセキュリティ意識が芽生え、従業員達も自発的な参加が促進されます。また、リスク管理が強化され、財産やデータを保護し、市場競争力を高めることが期待できます。経営者による積極的な取り組みは、企業の持続可能な成長と成功に不可欠といえます。
改善を進める

テクノロジーの進化や新たな脅威の出現により、私たちが直面する情報セキュリティのリスクは絶え間なく変化しています。従って、企業や組織は定期的にリスク評価を実施し、最新の脅威に対応するための対策を何度も見直す必要があります。情報セキュリティの保護は一過性の取り組みではなく、継続した対策が求められています。
まとめ

中小企業は、通常、大企業に比べて資源や予算が限られています。具体的には、人材、資金、技術的なインフラの整備などが制約されている場合が多いです。しかし、セキュリティ対策を怠ることは、その企業にとって致命的なリスクを招くことにつながります。
定期的なソフトウェアのアップデートやパスワード管理といったテクニカル的な対策と、従業員の教育と意識向上が課題です。さらに、クラウドサービスの安全な運用や、適切な共有管理、データバックアップの実施も不可欠です。経営者はセキュリティポリシーを策定し、社内で徹底的に遂行することで、情報漏洩やサイバー攻撃から企業を守る強い決意が求められています。
編集者注記: 私たちの記事は、教育的な情報を提供します。 私たちの提供物は、私たちが書いているすべての種類の犯罪、詐欺、または脅威をカバーまたは保護するとは限りません. 私たちの目標は、サイバーセーフティに関する意識を高めることです。 登録またはセットアップ中に完全な条件を確認してください。 個人情報の盗難やサイバー犯罪をすべて防ぐことは誰にもできないことと、LifeLock がすべての企業のすべての取引を監視しているわけではないことを忘れないでください。 Norton および LifeLock ブランドは、Gen Digital Inc. の一部です。