ウイルス対策ソフトはいらない？必要性をわかりやすく解説

私たちにとって、デジタルデバイスやネットワークは生活に欠かせないツールです。しかしパソコンやスマホは、常にサイバー犯罪のリスクに晒されています。安全にインターネットを使用するためには、ウイルス対策ソフトの導入が必要です。

今回は、ウイルス対策ソフトの性能や、導入するべき理由をご紹介します。デバイスにプリインストールされているセキュリティ機能だけでは対策できないリスクを学び、利用目的に合ったウイルス対策ソフトを探していきましょう。

パソコンが晒されるセキュリティ脅威とは

私たちのパソコンは、さまざまなセキュリティ脅威に晒されています。なかでもリスクが高い脅威は、主に以下の4つです。

• マルウェア…ウイルス、スパイウェア、ワーム、トロイの木馬など、ユーザーのデバイスに不利益をもたらす悪意あるプログラム・ソフトウェア
• フィッシング詐欺…インターネットユーザーからクレジットカード情報、銀行口座情報などの重大なデータを騙し取る犯罪行為
• ゼロデイ攻撃…ソフトウェアの脆弱性を狙いウイルスを感染させるサイバー攻撃
• 標的型攻撃…特定の個人や企業をターゲットに機密情報を狙うサイバー攻撃

これらの脅威から生活やデバイスを守るためには、セキュリティソフトの導入が必須といえるでしょう。

⇒参考：【マルウェアとは】感染したらどうなる？2023年最新の種類や対策

⇒参考： フィッシング詐欺とは？実例と手口から学ぶ対策と注意事項

Windowsには標準のセキュリティ機能が搭載されている

ウイルス対策ソフトを探す際は、手持ちのデバイスや利用用途に応じた性能を選ぶ必要があります。とくにWindowsを利用している人は、標準のセキュリティ機能である「Windowsセキュリティ」でできることを理解したうえで、足りない部分を補える対策ソフトを選んでいきましょう。

Windowsセキュリティに備えられた主な機能は以下になります。

• マルウェア、ウイルス、セキュリティの脅威を継続的にスキャン
• 更新プログラムの自動ダウンロード

ただしブラウザを使用する場合、Windowsのセキュリティ機能はMicrosoft Edge（Windows10から標準搭載されたブラウザ）を使わなければ真価を発揮できません。

例えば、Windowsセキュリティの「アプリ＆ブラウザー コントロール」は、パソコンを危険性のあるアプリやサイトから保護する有効な機能ですが、本機能の推奨ブラウザはMicrosoft Edgeのみとなっています。

参考：Windows セキュリティでのアプリとブラウザーの制御

そのためGoogle Chromeなどの他のブラウザを使用している場合は、外部のウイルス対策ソフトを取り入れることでリスクヘッジにつながります。

Windowsセキュリティに搭載されている機能

ここでは、Windowsセキュリティに搭載されている機能について詳しくご紹介します。Windowsセキュリティの機能を理解したうえで、環境に適したウイルス対策ソフトを導入していきましょう。

• ウイルスやマルウェアの実行の防止
• サインインオプションやセキュリティの設定
• ファイアウォール機能
• デバイスのパフォーマンスと正常性のレポート

ウイルスやマルウェアの実行を防止

Windowsセキュリティには「Microsoft Defender ウイルス対策」というプログラムが含まれています。このプログラムにより、外部から侵入したウイルスやマルウェアが発見された際に、実行を防止できます。

またパソコンへのファイルのダウンロードや閲覧の状態などを監視し、危険性があるソフトウェアの侵入事態の防止が可能です。

ソフトウェアの検知と防御をリアルタイムに行うだけではなく、既にダウンロードが終わっているデータ、ファイルへのスキャンも実施します。プログラムは自動で最新に更新されるため、手動で設定をせずとも定期的に最新の状態へアップデートされます。

サインインオプションやセキュリティの設定

Windowsセキュリティでは、サインインオプションやセキュリティの設定が可能です。サインインオプションでは指紋、顔、眼球の虹彩を用いた生体認証の設定が行え、パスワードの外部流出や第三者による悪用のリスクを下げられます。

Windowsセキュリティはあらかじめインストールと自動更新の設定がされていますが、ホーム画面から有効、無効を切り替えられます。また他のウイルス対策ソフトがインストールされている場合は、Windowsセキュリティが自動的に無効になるため、手動設定の必要はありません。

またセキュリティ設定では、「リアルタイム保護」「クラウド提供の保護」「サンプルの自動送信」の3つにおいて、それぞれ有効、無効を設定できます。

ファイアウォール機能

ファイアウォール機能も、Windowsセキュリティに標準搭載されています。ファイアウォールとは、ネットワーク通信において、外部からの不正な通信を遮断したり許可された通信だけを通過させたりする機能です。　

ただし、他のセキュリティソフトと併用すると、正常に動作しない場合もあります。Windowsセキュリティ以外のファイアウォールが有効になっている際は、Windowsセキュリティに搭載された「Microsoft Defender ファイアウォール」をオフにしましょう。　

デバイスのパフォーマンスと正常性のレポート

Windowsセキュリティでは、デバイスのパフォーマンスと正常性のレポートが表示されます。レポートは、セキュリティの問題がないかを監視して作成されます。レポート内容は以下の通りです。

Windowsセキュリティに搭載されていない機能

ここでは、Windowsセキュリティだけではカバーできない機能をご紹介します。

Windowsセキュリティは無料で全ユーザーに施される機能であり、有料ソフトに比べると足りない点が多々あるものです。自身のデバイスの使い方と照らし合わせながら、ウイルス対策ソフトを選ぶための参考にしていきましょう。

パスワード管理

Windowsセキュリティには、パスワード管理機能が備えられていません。多くのウイルス対策ソフトで搭載されているパスワード管理機能は、パスワードやIDを保存し、自動入力の形式で情報管理をサポートしてくれます。

一般的なウイルス対策ソフトに備えられているパスワード管理機能では、WebサイトやSNSのログイン情報の他に、クレジットカード番号や銀行情報などの重大なデータも厳重に管理されます。

パスワード管理機能を設定すれば、データがクラウドの安全な領域に保管されるため、各サイトのIDやパスワードを忘れても安心です。パソコンのキーボードやスマホ画面で入力する必要もなくなるため、キーロガー（※）対策にもなります。

※キーロガー…デバイスの入力操作における情報を記録するソフトウェアや、ハードウェア。個人情報を盗むために悪用される場合がある。

トラッキング防止機能

トラッキング防止機能も、Windowsセキュリティに搭載されていない機能の1つです。トラッキングとは、ユーザーがWebサイトやアプリに訪れた際の行動履歴を収集することです。

トラッキングではユーザーにとって興味や関心がある情報を収集できるため、自分に合った広告が流れやすくなります。その反面、Cookie（クッキー：訪問者の情報を一時的に保存するための仕組み）から氏名、住所、カード番号などの個人情報が漏洩しやすくなるリスクがあります。

そこで役立つシステムが、ウイルス対策ソフトのトラッキング防止機能です。トラッキング防止機能を設定することで、過去のインターネットの利用履歴やWebサイトが企業やアプリ側に渡らなくなるため、個人情報漏洩のリスクを下げられます。

未知のマルウェアへの対策

ウイルスは日々進化し続けており、セキュリティやウイルス対策ソフトの脆弱性を突いて攻撃をしてきます。

Windowsセキュリティによる未知のマルウェアへの対策法は「パターンマッチ方式」です。パターンマッチ方式では、既存のウイルスのデータベースを参考に特徴的なソースコードを見つけて検知します。

しかしパターンマッチ方式だけでは、進化し続けるマルウェアへの対応が追いつかない場合があります。ウイルス対策ソフトでは、パターンマッチ方式だけではなく、不審な処理が行われていないかを調べる「ビヘイビア法」を用いるため、挙動（振る舞い）による検知も可能です。

最新のマルウェアの性能は、ウイルス対策ソフトの性能を常に上回ります。だからこそ、より確実性の高い検知能力が求められるのです。

「ウイルス対策ソフトはいらない」とは限らない

Windowsユーザーのなかには「Windowsセキュリティだけでウイルス対策は十分」と考える人も多いです。しかし実際には、Windowsセキュリティだけでは解決できないトラブルのパターンも存在しています。

• Microsoft Edgeを使わなければDNSフィルタリング（悪意のあるサイトのドメインをブロックするために、DNS＝ドメイン名とIPアドレスを紐づけて管理するシステムを使用するプロセス）ができない
• VPNがないため、公衆Wi-Fiに接続する際に中間者攻撃を受ける可能性がある
• 市販のウイルス対策ソフトと比べ、オフラインスキャンの検出率が低い　など

とくにデジタルデバイスに不慣れな人やITリテラシーが未熟な人が使う場合は、Windowsセキュリティだけでは思わぬトラブルに巻き込まれてしまうことも。強固なセキュリティ機能を備えたウイルス対策ソフトを導入することで、より安全にネットワークを利用できます。

⇒参考：VPNとは？スマホ・パソコンで安全に通信する方法やメリット紹介

ウイルス対策ソフトを入れるべき3つの理由

ここでは、ウイルス対策ソフトを入れるべき理由を3つご紹介します。

• パスワード漏洩によるリスクを軽減するため
• 進化し続けるマルウェアへの対策をするため

Windowsセキュリティの欠点をカバーするためには、市販のウイルス対策ソフトが必要です。外部ソフトならではの利点を抑え、パソコンの安全性を高めましょう。

理由1.パスワード漏洩によるリスクを軽減するため

Windowsセキュリティにはパスワード管理機能が搭載されていないため、パスワードやIDの漏洩によるリスクを軽減したい人には、市販のウイルス対策ソフトをおすすめします。

例として、Nortonの「ノートン360シリーズ」ではパスワードマネージャー機能が搭載されています。パスワードマネージャー機能では、パスワード、クレジットカード情報、視覚情報などをオンラインで安全に生成し、保管や管理が可能です。

理由2.進化し続けるマルウェアへの対策をするため

どれほど高性能なウイルス対策ソフトでも、未知のマルウェアに対して100％の予防策を持つわけではありません。そのうえでマルウェアへの対抗力をできる限り向上させたい場合は、挙動（振る舞い）検知によってマルウェアを検出できるウイルス対策ソフトをおすすめします。

挙動（振る舞い）検知では、マルウェアの挙動から危険な動きを識別できるため、今まで知られていないものでも、マルウェアの検知度が上がります。

昨今ではマルウェアによる攻撃がより悪質かつ高度になっているため、Windowsセキュリティによるパターンマッチ方式だけでは検出できない可能性も。複雑多様化するサイバー攻撃に備えるためには、市販のウイルス対策ソフトが求められます。

ウイルス対策ソフトを購入したほうがいい人の特徴

ここでは、ウイルス対策ソフトの購入が推奨される人の特徴をご紹介します。

• ネットワーク上でお金のやり取りをする
• オンラインゲームをする
• ビジネスでパソコンを使用する

自身が上記の条件に当てはまらない場合でも、Windowsセキュリティとウイルス対策ソフトを併用することで、より堅固なセキュリティ環境が構築されます。自身のライフスタイルと照らし合わせた上で、ウイルス対策ソフトの購入を検討していきましょう。

ネットワーク上でお金のやり取りをする

ネットワーク上でお金のやり取りをする習慣がある人は、市販のウイルス対策ソフトの導入が推奨されます。たとえば、ネットバンキングや通販サイトなどの利用者が挙げられます。

なぜならお金のやり取りをする場合、マルウェアによる情報の盗難が重大な経済的損失につながる可能性があるためです。とくにクレジットカード番号や銀行口座情報などを入力する人は、早急に強固なセキュリティ環境を構築する必要があります。

ウイルス対策ソフトのパスワード管理機能やセキュアブラウザ（一般のブラウザよりもセキュリティが強化されたもの）機能を取り入れ、安全にお金のやり取りを行いましょう。

オンラインゲームをする

インターネットを通じてオンラインゲームで遊んだり、ゲームのオンライン機能を利用したりする人は、ウイルス対策ソフトの必要性が高いといえます。なぜなら、ゲームソフトやインストールデータ（修正パッチ、アップデートパッチ、改造データなど）自体にウイルスが侵入している可能性があるからです。

ウイルス対策ソフトの導入によってデバイスの動作遅延が不安な方には、動作の軽い「ゲームモード」を搭載した商品も視野に入れてみてください。

ゲームプレイ中は通常モードとゲームモードを切り替えることで、セキュリティレベルを維持しながら快適な環境で楽しめます。

ビジネスでパソコンを使用する

ビジネスでパソコンを使用する場合は、より高いセキュリティ環境を構築するために、ウイルス対策ソフトの導入をおすすめします。

万が一ビジネス用パソコンがマルウェアの被害に遭った場合、ユーザー個人の情報だけではなく、社外秘の情報や機密データ、顧客の情報なども流出してしまいかねません。

セキュリティ事故は企業の信頼を大きく揺るがすため、経営や運営が続けられなくなる可能性もあります。会社支給のパソコンの場合は既にウイルス対策ソフトがインストールされているはずですが、プライベート用パソコンをビジネスと兼用で利用する場合は、個人でウイルス対策ソフトを導入しましょう。

Windowsユーザーであっても、市販のウイルス対策ソフトの導入が推奨される

今回は、ウイルス対策ソフトの特徴や導入するべき理由をご紹介しました。Windowsセキュリティは優秀な標準機能ですが、セキュリティ環境をより強固にするためには市販のウイルス対策ソフトが必要になります。

とくにAmazonやメルカリのようなオンラインショッピングサイトを楽しむ人や、仕事でパソコンを使用する人は、情報漏洩防止のためにウイルス対策ソフトの購入が推奨されます。安全に管理されたパソコン環境を構築できれば、重大なトラブルを未然に回避できるでしょう。

ノートン360のセールス

ノートン360は世界シェアNo,1のセキュリティソフトです。世界中のセキュリティデータと数十年にわたる経験は、世界中で日々増え続けるマルウェア対策として有効です。

実に1分間に数千もの脅威をブロックしております。

またノートン360は「ノートン プロテクション プロミス」というサービスを付与しており、ノートンの専門家がお使いのデバイスからマルウェア・ウイルスを駆除できなかった場合は、対象となるライセンスの現行の期間に対して実際に支払った金額について、全額返金が可能です。それほど、お使いのデバイスからマルウェア・ウイルスを保護する能力に自信と誇りを持っております。