プロキシサーバーとは?使用上のメリットと4つの注意点

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プロキシサーバーについての概要や用途、個人と企業それぞれが使用するメリットについて解説します。とても便利なプロキシですが、使用する際の注意点についても解説します。


インターネットを使用していると稀に見ることがある「プロキシ」「プロキシサーバー」とはどういうものなのか気になった事はありませんか?

企業でネットを使用されている方であれば、その単語を見かけることはより多いでしょうが、それでもどのような働きをするものなのか、よく分からないまま使用しているケースが多いと思います。

英語でプロキシ (Proxy) は「代理」を意味する単語ですが、プロキシサーバーは一体何を代理するのでしょうか?

そこで本記事ではそもそもプロキシサーバーとは何なのか、使う事によってどのような利点があるのか、また使用するにあたって注意しなくてはならない点は何か、といった基本部分を解説します。

1.プロキシサーバーの概要

プロキシサーバーとはどういったもので、どういった使用目的があるのか解説します。

1-1.プロキシサーバーとは

プロキシサーバーとは、インターネットへのアクセスを代理で行うサーバーのことです。

通常はパソコンやモバイル端末のブラウザを経由して直接Webサイトへアクセスし、サーバーがデータをブラウザに返すことで画面にWebサイトが表示されます。


これに対してプロキシサーバーを使用すると、ブラウザで直接Webサイトにアクセスせずに、プロキシサーバーにアクセス、プロキシサーバーが代わりに目的のサイトにアクセスしてデータを受け取り、ブラウザにデータを渡して表示させます。

1-2.プロキシサーバーの種類

なぜ代理でインターネットアクセスをする必要があるのでしょうか?

詳細は事項に記しますが、主に企業でセキュリティや各種メリットのために導入されるのが一般的です。ただ、個人でもその恩恵を得るために使用する人も少なくありません。

プロキシサーバーは企業内のネットワークなど、すでに稼働しているものを利用する(こちらが一般的)場合と、自前で構築する場合の2種類に大別できます。すでに稼働しているプロキシサーバーについては無料のものや有料のものなど、さまざまなものが提供されています。自前で構築する場合はプロキシサーバーとして使用するサーバー環境を用意(ハードウェア導入または仮想空間どちらでも可)、プロキシサーバーのソフトウェアをインストールし、詳細は省きますが各種必要な設定をすることで使用可能になります。

2.プロキシサーバーを使用することによって得られるメリット

プロキシサーバーを使用してWebアクセスすることにより、以下に挙げるメリットとデメリットが考えられます。個人で使用する場合、企業などで使用する場合に分類しました。

2-1.個人でプロキシを使用するメリット

2-1-1.自分の情報の匿名性が高まる

プロキシサーバーを介さずにWebサイトにアクセスすると、Web上の住所であるIPアドレスがサイト運営側に残ります(IPアドレスから契約しているプロバイダ情報なども分かります)。しかし、IPアドレスだけで個人が特定されるわけではありません。多くの一般的なインターネット回線は動的にIPアドレスを割り当てられるため、アドレスは接続のたびに変わる可能性も多く、IPアドレスの情報が誰かに渡ったとしても、個人まで特定できるわけではありません。

実際、ワンクリック詐欺の手口として、IPアドレスやプロバイダ情報などを見せてあたかも個人情報を入手しているかのように脅すというものがありますが、IPアドレスやプロバイダ情報だけでは個人を特定することが出来ないので、無視しても大丈夫という結論が一般的です。

そういう意味では「個人」として一般的な環境でインターネットに接続することに対しては元々個人が特定出来ないことから、プロキシサーバーによって匿名性を高めることにそこまで大きなメリットは無いと言えます。実際に匿名性の向上を目的に個人でプロキシサーバーを使用している方は多くはないはずです。

2-1-2. キャッシュによるサイト表示の高速化が期待できる

プロキシサーバーはアクセスしたサイトのファイルなどをキャッシュとして保存します。特に頻繁にアクセスするサイトであればプロキシサーバー内にデータが保持されているので、毎回特定のサイトにデータを読みに行かずともプロキシサーバー内のデータを使うことによって表示の高速化が可能です。

2-1-3.他国へのアクセスに活用できる

Webサイトの中には海外からのアクセスを禁止しているものもあり、日本から他国の情報サイトにアクセスする時や、海外から日本のサイトにアクセスする時に困るケースがあります。この場合はその国にあるプロキシサーバーを使えば、閲覧することが可能になります。

ただ、これはプロキシサーバー経由でなくVPN(Virtual Private Network)でも同様の事が可能です。

2-2.企業でプロキシサーバーを使用するメリット

2-2-1.アクセス元を隠すことができる

プロキシサーバーを使用するとブラウザから直接Webサイトにアクセスしなくなるので、Webサイトの運営者にアクセス元のクライアントPCが分からなくなり、特定されにくくなります。これについては個人が得られるメリットと同様です。

個人で使用するインターネット環境とは異なり、かつ多額の金銭などが関係する企業や団体の場合は、場合によってはIPアドレスの追跡などから攻撃につながる可能性も否定できません。匿名性を高めることが主な目的ではないにせよ、企業などではプロキシサーバーを介してネットにアクセスすることが一般的です。

2-2-2.アクセスログを確認できる

プロキシサーバーを使用すると、アクセスするWebサイトにアクセス元のPCの情報が渡ることはありませんが、プロキシサーバーにはその情報がアクセスログとして残ります。つまり、プロキシサーバーの管理者はアクセス元のクライアントPCのWebブラウザからどのようなサイトへアクセスしているのかという情報をログとして確認できます。

企業などで使用すれば、社員が業務に関係ないWebサイトにアクセスしていないか個別にチェックするといったことも可能になります。

2-2-3.不要なサイトへのアクセスを制限できる

プロキシサーバーを利用することで、Webサイトへのアクセス制限をするURLフィルタリング(Webフィルタリング)が可能になります。

企業などでこの機能を利用すれば業務に不要なWebサイトや、公序良俗に反するサイトや不正サイトへのアクセスを防止することが可能になります。

2-2-4.サイト表示の高速化が期待できる

個人でプロキシサーバーを利用する時と同様に、プロキシサーバー内に保存されたキャッシュを再利用することにより、サイト表示の高速化が可能となります。

企業では他のユーザーが閲覧したデータもキャッシュに保存されるため、初めて訪問したサイトであってもキャッシュにデータが保存されていれていればプロシキサーバー使用者全員のサイト表示の高速化が期待できます。

3.プロキシサーバーを安全に使用するための4つの注意点

 プロキシサーバーはWebアクセスをより快適に、安全に行うためのものですが、使い方を間違えると逆効果になることもあります。したがって、プロキシサーバーを正しく使用するために以下に挙げる点に注意してください。

3-1.必要な時のみ使用する

プロキシサーバーは企業内におけるネットワークなど、基本的に「必要な時に使用する」類のもので「常時使用しなくてはならない」ものではありません。

快適なネット利用のためにプロキシサーバーを使用するはずが逆に速度が遅くなってしまったり、悪質なプロキシサーバーを使用してしまうとIDやパスワードなどを抜き取られてしまう可能性があります。

3-2.安全なプロキシであることを確認しておく

Webアクセスする時に送受信するデータをプロキシサーバーが代理で扱うため、安全ではないプロキシサーバーを使ってしまうと、前項でもある通りIDやパスワード、その他のアクセス情報を盗まれる可能性があります。安全を期するために利用しているプロキシサーバーそのものが安全ではないというのは皮肉な話で、むしろリスクは高いと言えます。

一般公開されているプロキシサーバーを利用する場合は、信頼できるプロキシサーバーであることをしっかりと確認してから利用するようにしましょう。特に無料で提供されている公開プロキシサーバーは注意が必要です。

3-3.通信速度が低下する可能性を認識しておく

プロキシサーバーはキャッシュにアクセスするファイルを保存してWebサイトの表示の高速化はできますが、通常は直接アクセスするWebサイトの間にサーバーが入る事になるので通信速度が低下することがあります。

プロキシサーバーの性能にもよりますが、多くのユーザーが同時にアクセスした時は通信速度が低下する傾向があります。

3-4.自前でプロキシサーバーを構築する場合は認証を有効化しておく

自前で構築するプロキシサーバーを使用する場合、設定時にIDとパスワードによる認証を有効にしておきましょう。そうでないと公開プロキシサーバーとして不特定多数の人に使用され、ひどい場合は犯罪行為の踏み台にされてしまうリスクがあります。

4.まとめ

 プロキシサーバーは上手に利用すれば、Webアクセスをより快適に行う手助けをしてくれます。そのため、本記事で解説したメリットとデメリットをご理解いただき、信頼できるプロキシサーバーであるかどうかをしっかりと確認したうえで有効利用してください。

※記事内容の利用実施は、ご自身の責任のもとご判断いただくようお願い致します。

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