機内モードの便利な使い道9選と機内Wi-Fiの安全な使い方

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機内モードの意外に便利な使い方と、それに関連して最近飛行機に普及が進んでいる機内Wi-Fiを使用する際のセキュリティに関する注意点について解説します。


スマホに必ずついている機能のひとつに、機内モードがあります。飛行機のアイコンになっているため、飛行機に乗っている時に設定するものという認識の方はとても多いと思います。実際に飛行機に乗ると、飛行中はスマホの電源を切るか機内モードへの設定をするようにアナウンスされるので、その際に設定をしたことがあるという方も多いでしょう。

しかし、本来は飛行機内で使うための機内モードですが、この機能をもっとさまざまなことに応用できることをご存知でしょうか。

飛行機に乗らない方であっても、日常生活の中でも利用価値の高い機能なので、この機内モードの意外に便利な使い方と、それに関連して最近飛行機に普及が進んでいる機内Wi-Fiを使用する際のセキュリティに関する注意点について解説していきたいと思います。

1.機内モードの基本と本来の使い方

そもそも機内モードは何のためにあるのかという基本や本来の使い方と、設定方法などを解説します。

1-1.機内モードとは?

機内モードの「機」とは飛行機のことなので、機内モードは厳密に言うと「飛行機内モード」ということになります。航空機の安全運航基準に従って飛行機内では電波を発するデバイスを使用してはいけないという決まりがあるため、そのための用意された機能です。

そのため機内モードに設定すると、そのモバイル端末は電波による通信を行わなくなります。

1-2.なぜ機内モードがあるのか

航空機の安全な運行を行うという理由から機内で電波を発してはならないということで、かつては携帯電話の電源を切るようにアナウンスされていました。しかし、電波がない状態でもモバイル端末を使いたいというニーズは高く、航空機の安全な運行を考慮した上でモバイル端末を使うための機能として機内モードが生まれました。

この機内モードのおかげで、私たちは飛行機内でスマホなどのモバイル端末を電源まで完全に切ることなく使用できるようになったと言っても良いでしょう。

1-3.機内モードをオンにすると、スマホはどうなる?

機内モードをオンにすると、以下の機能が一斉に停止します。

  • モバイルネットワーク
  • Wi-Fi
  • Bluetooth
  • 位置情報

これらはすべて外部との通信を行う機能なので、航空会社は飛行機の安全運航のために機内モードへの設定を指示しているわけです。

1-4.機内モードではアプリも通信をしなくなる

端末自体が通信を行わなくなるため、その端末にインストールされているアプリも通信をしなくなります(できなくなります)。LINE、Instagram、Facebook、Twitterといったアプリはいずれも通信をすることが前提のものですが、これらも一切通信をしなくなるため、機内モードに設定している間は最新情報が入ってこなくなります。

しかし、アプリ自体の起動はできるため、メッセージや投稿を閲覧したり、再び電波がつながった時に向けてメッセージや投稿内容を編集するといった作業は可能です。

1-5.機内モードをオン(オフ)にする方法

AndroidとiPhoneそれぞれで機内モードのオンとオフを切り替える方法を解説します。いずれも非常に簡単です。

1-5-1.Androidで機内モードを設定する

Android端末で機内モードを設定する最も簡単な方法は、電源の長押しです。電源ボタンを長押しすると電源オフや再起動といったメニューが表示され、その中に機内モードがあります。

機内モードになっている時に同様の操作をすると、機内モードを解除できます。

1-5-2.iPhoneで機内モードを設定する

ホーム画面を下からスワイプ(ホームボタンのないiPhone X以降のシリーズは画面右上からスワイプ)してコントロールセンターを開き、その中にある機内モードのアイコン(飛行機のアイコン)をタップします。

機内モードになっている時に同様の操作をすると、解除できます。

1-6.機内モード中でも個別の通信を有効化できる

機内モードはすべての通信が止まると述べましたが、機内モードをオンにした後であっても航空機の安全な運行に支障がないと判断される個別の通信機能を手動でオンにすることができます。この仕組みを知っておくととても便利な使い方ができるので、それについては次章以降で解説していきます。

機内モードであってもWi-Fiだけ、Bluetoothだけ、位置情報だけといったように有効化できることを覚えておくと良いでしょう。

2.機内モードの活用法 9選

本来は飛行機内での通信を止めるための機能である機内モードですが、それを応用した活用法をご紹介します。

2-1.海外滞在中の意図しない通信を防止

海外滞在中は日本の携帯キャリアと提携している現地の携帯キャリアの3G/4G電波を使用するのが一般的です。現地の携帯キャリアの電波を使ってネット接続をすると「ローミング」といって新たな料金が発生するのですが、これが高額になりがちです。

このようなリスクを回避するには、海外滞在中は機内モードにしてしまい、Wi-Fiだけをオンにしてホテルやレストランなどで使えば安心です。

最近ではデュアルSIMといって現地のSIMカードを2つ目のスロットに装着して使う方も多くなりましたが、その時に日本の携帯キャリアを有効にしたままでローミングをオンにしていると、自動的にローミング通信でつながってしまう可能性があります。

上記のスクリーンショットは台湾で日本と現地の両方の電波を受信している状態のスマホです。NTTドコモと提携しているFar EasToneという携帯キャリアの電波を受信しているのが分かります。この状態でローミング通信をすると1日数千円の料金が発生するので、思わぬ高額請求になってしまう可能性があります。

この場合は現地のChunghwa TelecomのSIMカードだけをオンにして日本のSIMカードをオフにしておけば問題ありませんが、現地のSIMカードがない場合は「機内モード+Wi-Fi」という使い方が無難です。

ただしWi-Fiを使う場合はその安全性にも配慮が必要です。公衆Wi-FiやフリーWi-Fiの安全性確保については、「Wi-Fiのセキュリティ対策|情報漏洩を未然に防ぐポイント解説」に詳しい解説がありますので、ぜひそちらもお読みください。

 2-2.現在地特定の精度を下げる

機内モードをオンにすると、位置情報の通信もオフになります。そのため現在地を特定されたくないという場合には、機内モードにするとGPSによる追跡は不可能になります。

しかし、Wi-Fiをオンにするとアクセスポイントやそれに伴う情報からある程度の位置を割り出す事ができるためGPSとの併用と比べると現在地特定の精度は下がりますが、ある程度の位置の特定が可能になります。

それも避けたい場合はWi-Fiもオフにする必要があります。

 2-3.LINEの「既読」をつけずに本文を読む

LINEで送られてきたメッセージを読むと、送信者側に「既読」が付きますが、機内モードで全ての通信を遮断してからメッセージを読むと「既読」は付きません。

既読が送信者に伝わらなければ返信を待たれることも基本的に無いと思われるので安心してゆっくりと返事を考えることができます。

ただし、LINEアプリを落とし、かつ機内モードを作動させていてもWi-Fiがつながると同時に「既読」になるので、既読マークを付けたくなければネットワークに接続してはなりません。

2-4.瞬時にマナーモードに近い設定をする

着信音が鳴ってはいけない場所に行く時にはマナーモードに設定をするのが一般的ですが、機内モードにしてもほぼ同様の効果が得られます。機内モードのほうが素早く設定できるという場合は、ぜひ活用してください。

2-5.バッテリー節約、充電スピードアップ

スマホのバッテリーが切れそうな時や、短い時間で効率良く充電をしたいという場合はスマホ本体の電力消費を抑える必要があります。電源を切ってしまうのが一番ですが、そうはいかない場合には機内モードが最適です。

通信を一切しないことでバッテリー消費が節約され、残り少ないバッテリーの節約や充電速度アップに役立ちます。

2-6.山間部などでのバッテリー節約

山間部などではどうしてもキャリアの電波が弱くなりがちです。電波が弱くなったり頻繁に切れたりすると、モバイル端末は電波を探そうとすることで電力消費量が増えてしまいます。

電波が弱いにも関わらず自分の位置を見失う可能性がある場所では位置情報が必要なケースが多いと思われるので、その場合は機内モードにした上で位置情報だけをオンにするという使い方が効果的です。

2-7.データ通信量の節約

格安SIM会社や携帯キャリアとの契約プランによっては、毎月使用できるデータ通信量にそれほど余裕がない場合があります。月末に使用できるデータ通信量が少なくなってくると通信制限を意識しなければなりませんが、使っていない時は機内モードにしておけばキャリアとの通信をしなくなるため、バックグラウンドで通信する分でデータ量をさらに消費してしまうといったことを防止できます。

2-8.うまく電波を拾っていない時のリフレッシュ

電波が届く場所なのに、なぜかスマホがうまく通信してくれず、圏外になるといった経験はないでしょうか?そんな時は端末を一度機内モードにして、しばらくしてから再びオンにすると新たに電波を探すため、それをきっかけにつながることがあります。

電波がつながらないために再起動をすると時間がかかってしまいますが、機内モードのオンとオフだけだと数秒で完了するので、知っておくと便利な使い方です。

2-9.動画撮影中の着信を防止

スマホで動画を撮影している時に、予期せぬ着信が入ってしまって動画にその着信音が入ってしまうことがあります。動画撮影中だけ機内モードにしておくと着信することがなくなるため、余計な音などが動画に入ってしまうことがなくなります。

3.飛行機内でWi-Fiを使用する場合の注意点

最近普及が進んでいる、飛行機内のWi-Fiサービス。これまでネットの空白時間となっていた飛行機内だけにとても便利ですが、それを使用する際の注意点について解説します。

3-1.飛行機内のネット事情

電波を発する機器の使用が禁止されている飛行機内では、スマホやパソコンはいずれもオフラインでしか使用できません。機内モードのおかげで電源を切る必要はなくなりましたが、飛行機の中でネットが使えないのは同じです。

それでは不便だという声が多かったことを受けて、最近では飛行機の中で使えるWi-Fiサービスが登場し、徐々に普及しています。

3-2.機内Wi-Fiの注意点① フリーWi-Fiと同様に覗き見されるリスクがある

とても便利な機内Wi-Fiですが、不特定多数で利用できる場合は暗号化されていない場合が多く、地上で利用できるフリーWi-Fiと同様に通信内容を覗き見されるリスクがあります。利用にあたっての注意点は、地上のWi-Fiと同じであるとお考えください。
個人情報など重要な情報を入力しない、接続はパブリックネットワークにするなど、基本的な自衛手段を講じておきましょう。

Wi-Fiの安全性を確保するには、VPNという方法があります。暗号化することによって盗み見のリスクを解消するのに有効な技術なので、詳しくは「VPNとは?その基本と無料Wi-Fiを安全に利用する方法」の解説をご覧ください。

3-3.機内Wi-Fiの注意点② 設定によっては使い過ぎで高額請求も

地上のWi-Fiは、光ファイバーの通信網に無線アクセスポイントを設置することで提供されています。これだと家庭内の無線LANと同じでコストもそれほどかからないのですが、飛行機は空を飛んでいるため、飛行機自体も人工衛星や地上の基地局と無線通信をしています。そのため電波品質や利用環境が地上ほど良いとは言えず、地上よりもコストがかかっています。

それが利用料金にも反映されているので、航空会社の機内Wi-Fiサービスの料金設定にもよりますが、使いすぎて高額の請求がなされる可能性もあります。

3-4.バッテリー切れにご注意

機内Wi-Fiを利用するということは、モバイル端末をそれだけ使用するということです。これまでは機内モードや電源オフという状態にしておくことが常識だったためバッテリー切れの心配はあまりありませんでしたが、機内Wi-Fiを多用することによってバッテリー切れの可能性が出てきます。

全ての航空機で充電が可能というわけではないこと、モバイルバッテリーの持ち込みが厳しくなってきている事情を踏まえると、使いすぎによるバッテリー切れも新たに意識するべきことだと思います。

4.まとめ

機内モードはいったい何のためにあるの?という疑問に対するお答えから、本来の使い方から応用された便利な使い方をセキュリティ&プライバシーと日常生活に分けてご紹介しました。それに関連して、最近多くなっている機内Wi-Fiを安全に使う方法についても解説しましたので、より便利かつ安全なスマホ利用にお役立てください。

※記事内容の利用実施は、ご自身の責任のもとご判断いただくようお願い致します。

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