Windows 標準セキュリティ「Windows Defender」の性能と市販セキュリティソフトの必要性

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Windowsのセキュリティ確保に、標準装備の「Windows Defender」はどこまで使えるのか?この疑問への回答と、金銭のやり取りに求められるレベルのセキュリティを確保する方法を解説します。


Windowsには、「Windows Defender」というセキュリティソフトが標準搭載されています。

しかし、ウイルスなどマルウェアによる被害が後を絶たないことを考慮すると、標準搭載のセキュリティソフトだけで対策は十分だといえるのか、不安を感じる方も少なくありません。また、Windows Defender だけで十分という意見もあれば、市販のセキュリティソフトが必要であるという意見もあり、一体どちらが正しいのか判断できないといったケースもあります。

これらの悩みを解決するために、Windows Defenderと市販セキュリティソフトの機能を比較するとともに、市販のセキュリティソフトが必要なケース、またそれをどのように選ぶべきか、などについて解説します。

1.Windowsセキュリティの重要性

Windowsに市販のセキュリティソフトをインストールするのか、それとも標準搭載のセキュリティソフトだけで良いのかを判断するには、なぜセキュリティソフトが必要なのかを知っておくことが重要です。

次にWindowsデバイスが晒されている脅威や、それに対してとれる対抗策を解説していくので、安全にWindowsを使用するためにもしっかり理解しておきましょう。

1-1.Windowsデバイスを狙う主な脅威

Windowsデバイスを狙う主な脅威として特に近年事例が多く、注意する重要性が高いものをご紹介します。

1-1-1.マルウェア

マルウェアはパソコンやスマートフォンなどのデータの改ざんや消去、盗むなどといった行為や、端末本体に不具合を起こさせるなどといった攻撃を目的として作成された悪意のあるソフトウェアを指しており、ウイルス、トロイの木馬、ワームが含まれています。

また、ワームやトロイの木馬として感染し、ハードディスクやファイルなどを意図的に暗号化してデータの身代金を要求するランサムウェアも、マルウェアに含まれます。

Windowsデバイスは常に例に挙げたようなマルウェアの脅威にさらされており、何の対策も施していないとマルウェアの攻撃を受ける確率が高まってしまいます。

1-1-2.フィッシング詐欺

Windowsデバイスを狙うというより「人」を狙うフィッシング詐欺は有名企業や金融企業などを装い、アカウント更新のためなどといって偽装されたURLにアクセスさせ、口座番号やID、パスワードなどを入力させることで個人情報を抜き取る行為です。

フィッシング詐欺で利用されている偽装されたWebサイトは見た目をそっくりに作られている、または画面をコピーして作成されているなど巧妙さを増しており、本物と偽物を見分けるのはかなり困難です。

1-1-3.DoS攻撃

ネットワーク環境に特に問題がないにもかかわらず、アクセスが集中しているために目的のサイトがなかなか開かないという経験がある方は多くいらっしゃると思います。

DoS攻撃はこのようにアクセスが集中することでサーバーがパンクしてしまうことを悪用して、悪意を持って大量のアクセス要求を送り付けるサイバー攻撃のことを指します。

DoS攻撃はフィッシング詐欺などのような個人情報の抜き取りをするわけでもなければ、マルウェアのようにパソコンのデータを盗むことや改ざんするなどの攻撃をするわけでもなく、嫌がらせ行為が主であると考えられます。

攻撃者が作った攻撃用のトロイの木馬などに感染すると、勝手にどこかのサイトへのDoS攻撃に利用され、知らないうちに加害者になっているという可能性もあります。

【参考】加害者にならないために-DoS/DDoS攻撃の違い、基本と対策

1-2.Windowsデバイスを守るための対策

先に挙げたようなWindowsデバイスを狙った攻撃は常に行われているうえに手口が巧妙であるため、専門知識があったとしても自力だけでWindowsデバイスを守るのはほぼ不可能です。どこかに異常はないか、常にデバイスに組み込まれているプログラムを隅々までチェックしてまわるのは現実的ではありません。

したがってWindowsデバイスを守るためには、セキュリティソフトをインストールすることが最も手軽で確実だといえます。

1-3.Windows標準搭載のセキュリティソフト「Windows Defender」とは

ネットは日常生活に欠かせないほど私達の生活に深く浸透しており、情報検索やショッピングなど非常に便利である一方で、悪意のある第三者がネットを利用して攻撃してくる脅威に常に晒されているというリスクもあります。

そのリスクからパソコンやスマートフォンなど、ネットにつなぐ端末を守るために必須なのがセキュリティソフトであり、Windowsデバイスに標準搭載されているセキュリティソフトが「Windows Defender」です。

では、「Windows Defender」はマルウェアなどの脅威に対してどの程度対抗できるものなのでしょうか?

2.Windows標準搭載のセキュリティソフト「Windows Defender」とは

Windows標準搭載のセキュリティソフト「Windows Defender」は、どのような性能を持っているソフトなのか、次に主な機能を解説します。Windows Defenderについては詳しい解説記事があるので、合わせてご覧いただくとさらに参考になると考えられます。

【参考】Windows Defenderの性能とは?第三者評価も交えて解説

2-1.リアルタイム保護

パソコンの動作をリアルタイムで監視し、ウイルスなどの不正なソフトウェアの侵入や、実行が確認された時にそれらを即時に遮断する機能です。

2-2.Windowsファイアウォールによる保護

Windowsファイアウォールによって外部からの不正侵入やマルウェアによるPCへの不正なネットワークアクセスを防ぎます。

2-3.ランサムウェア防止

「コントロールされたフォルダアクセス」という機能をオンにすることで、ランサムウェアがユーザーのデータを勝手に暗号化することからデータを守ります。

3.Windows標準搭載セキュリティソフトと市販セキュリティソフトの比較

Windowsに標準搭載されているWindows Defenderは、セキュリティソフトとして必要とされる基本的な機能をしっかり持っています。しかし、様々なセキュリティソフトが販売されていることから、Windows標準搭載セキュリティソフトだけで本当に大丈夫なのか心配する方は多くいらっしゃるのも事実です。その不安を解消するために、Windows Defenderと市販セキュリティソフトの性能を比較して確かめてみましょう。

3-1.Windows Defenderと市販セキュリティソフトの比較結果

Windows Defenderと市販セキュリティソフトの比較結果は、代表的なセキュリティソフトの性能や速度などを検証している機関である「AV-Comparatives」の調査結果を参照してみましょう。調査結果は、記事公開時点で最新の2020年3月の評価結果となっています。

出典:https://www.av-comparatives.org/tests/malware-protection-test-march-2020/

【参考】AV-Comparatives公式サイト

Windows Defenderは緑色で囲んだ「Microsoft」のグラフ部分になります。参考の棒グラフにおいて赤はウイルスを防げなかった部分、黄色はユーザーが不正サイトアクセスなどで自らウイルスを招いてしまった部分、灰色はウイルスやマルウェアなどをシャットアウトした部分で、灰色の部分が多いほど優秀なセキュリティソフトと見なすことができます。棒グラフの下にあるオレンジの折れ線グラフは、安全なものも検出してしまう誤検索の多さを示しています。

3-2.Windowsセキュリティは基本的に優秀

上記のAV-Comparativesの調査結果からお分かりいただける通り、「既知のマルウェア」に対してWindows標準のセキュリティは市販のセキュリティソフトに大きく劣っているわけではありません。

安全が確保されている有名なサイトの閲覧、ネット検索やメールやメッセージの読み書き、YouTubeによる動画の視聴などがネットの主な用途である一般ユーザーであれば、Windows Defenderは有効だといえます。

他のセキュリティソフトをインストールしないならば、必ず使用するべきです。

3-3.保護機能を強化するべきか

Windows Defenderは既知のマルウェアチェック機能に不足はないといえますが、市販のセキュリティソフトの多くに搭載されている侵入防止機能や脆弱性保護機能など未知のマルウェアに対する機能、メールセキュリティや個人情報の保護、ネットバンク保護などといった、マルウェア対策機能以外の部分に不足を感じる方がいらっしゃるかもしれません。そのような方には、市販のセキュリティソフトの導入を推奨します。

4.市販のセキュリティソフトが必要なケースと注意事項

Windows Defenderの有効性は理解できても、市販のセキュリティソフトが必要なのかそうでないのか判断が難しい方もいらっしゃるでしょう。そのような方々のために、市販のセキュリティソフトが必要なケースや選ぶ時の基準について解説します。

4-1.自力でのリスク回避が難しい方はセキュリティソフト導入を推奨

先にも説明した通り、Windowsデバイスを使用する用途がネット検索や動画視聴等のみであれば、セキュリティはWindows Defenderでも事足りる状態であり、万一ウイルス感染をしたとしても致命的なことにはならないと考えられます。

しかし、ネットショッピングやネットバンキングなど、ネットで「お金」を扱う場合は市販のセキュリティソフトの導入を強く推奨します。

また、Windows Defenderは必要最低限のセキュリティ機能という位置づけなので、可能な限りセキュリティを向上させてネットを利用したいなら市販のセキュリティソフトを導入した方が良いでしょう。

4-2.市販のセキュリティソフトを選ぶ基準

市販のセキュリティソフトを購入するなら「AV-Comparatives」の調査結果を参考に、灰色の部分が多いセキュリティソフトだけを視野に入れることも悪くありませんが、サポートなどの面から日本で組織的にビジネスを展開しているノートンやカスペルスキー、マカフィーやウイルスバスターなどが一般的に購入されています。

【参考】AV-Comparatives公式サイト

こちらは、主なセキュリティソフト製品へのリンクです。有料の製品であっても期限内は全ての機能を無料で利用できるため、まずはダウンロードしてみてはいかがでしょうか。

4-3.複数のセキュリティソフトのインストールは非推奨

セキュリティソフトのインストールは、1台のパソコンにつき1つだけであることが原則です。複数のセキュリティソフトをインストールするとソフト同士が正常に機能せず、セキュリティ機能が落ちる上にトラブルが起きやすくなってしまうため、Windowsデバイスを十分に保護できないリスクがあります。

「WindowsにはWindows Defenderが搭載されているのに、市販のセキュリティソフトを導入して問題はないのか」という疑問に対しては、Windows Defenderは他のセキュリティソフトがインストールされると自動的に停止する仕様なので、特に心配する必要はありません。

5.まとめ

Windows標準のセキュリティソフトである Windows Defender の性能は決して悪いものではありません。有名なサイトの閲覧、ネット検索や動画視聴程度の使用であれば十分事足ります。他のセキュリティソフトを使用しない場合は必ず使用しましょう。

しかし、オンラインショッピングやネットバンキングの利用が広く浸透し、それらを狙った脅威が多くあり、攻撃者が常に狙っている事実を考慮すると、市販のセキュリティソフトを導入してセキュリティの向上を図ることを推奨します。

※記事内容の利用実施は、ご自身の責任のもとご判断いただくようお願い致します。 

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