ノートパソコンのバッテリーを長持ちさせる方法と、寿命を倍以上に延ばす方法

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ノートパソコンを使っていてバッテリーの持ちは気になりませんか? どれぐらいの期間使えるのか、長持ちさせるためにはどうしたらいいのか。ここではバッテリーについて説明します。上手に使って寿命を伸ばしましょう。


ノートパソコンを使っていてバッテリーの持ちは気になりませんか? 長持ちさせるためにはどうしたらいいのか、それから、どれぐらいの期間使えるものなのか、気になるところです。

ノートパソコンも含めバッテリーのリコールは比較的よくあることでリコールなら無料で交換してもらえますが、リコール対象ではない寿命の来たバッテリーの交換は実費で数千円以上かかってしまいます。

本記事はバッテリーについて説明します。上手に使えば寿命が伸びるかもしれません。ぜひお試しください。

1.バッテリーに寿命がきている?

ノートパソコンの寿命は、一般的な目安として約2年といわれています。ただし、これはあくまで目安であり、もっと早く寿命が来てしまうこともあれば、5年以上問題なく使用できることもあります。

ノートパソコンには、バッテリーの状態をチェックするソフトウェアがプリインストールされているものがあります。その場合は、ソフトウェア上でバッテリーの劣化具合を調べることができますし、寿命が近くなると「バッテリーを交換してください」と表示されます。

こういったソフトウェアがない場合には、バッテリーの駆動時間や充電時間で判断するしかありません。たとえば、以前はバッテリー駆動で4時間使っても半分くらい残っていたのに、今は1時間で半分になってしまう、あるいは、いくら充電してもなかなかバッテリーが100%にならないといった場合には、劣化している可能性が高いといえます。

ただし、たとえばニッケル水素電池の場合は、完全に放電させて再度充電することで復活することがありますし、リチウムイオン電池の場合には逆に完全放電させるとバッテリーの寿命をさらに縮めてしまう結果になります。まずは自分のノートパソコンに使用されている電池の種類を把握しましょう。

なお、本記事の執筆時2015年ではリチウムイオン電池が主流のようです。

2.バッテリーの寿命が来てしまったら

電源ケーブルをつないでも、まったく充電されなくなった。電源ケーブルをつないでいると100%表示なのに、ケーブルを抜くと0%になってしまう。バッテリー駆動で使うと10分でバッテリーがなくなる。こういった場合は、バッテリーに寿命が来ていると考えられます。

この場合は、バッテリーを交換するしかありません。多くの場合、ノートパソコンを製造したメーカーは一般的に5〜10年はバッテリーの新品を在庫しているといいます(メーカーによって異なります)。このため、購入したメーカーに問い合わせるのが一番の方法といえます。

あるいは、大型家電店やネットショップなどで購入できることも多いので、使用しているバッテリーの型番を書き留めておき、同じものを購入すれば問題なく使用できます。

中古品を購入することもできますが、前述のように使い方によってバッテリーの劣化度合いが変わるため、使用期間が短くても劣化が激しいこともあります。できれば新品を購入したいところです。

バッテリー内蔵型のものは交換のために修理に出す必要があります。

3.バッテリーの寿命を延ばすために

現在の主なノートパソコンのバッテリーは「リチウムイオン電池」と「ニッケル水素電池」の2種類に大きく分けることができます。リチウムイオン電池とニッケル水素電池は性質が大きく異なるので、取り扱い方にも違いがあります。

まずは、自分のパソコンのバッテリーがリチウムイオン電池なのかニッケル水素電池なのか確認しておきましょう。リチウムイオン電池には「Li-ion」の表示が、ニッケル水素電池には「Ni-MH」の表示があります。

リチウムイオン電池とニッケル水素電池
 

バッテリーの寿命を延ばすための心得を次の4点にまとめました。

※ 1.について、満充電を避けるのはリチウムイオン電池だけです。ニッケル水素電池では満充電して構いません。こまめな充電を避けるのは両方に共通した注意です。

※ 2.については共通した注意ですが、ニッケル水素電池ではできるだけ放電した状態で保管しておくように心がけてください。

3-1.使い方にメリハリを

充電のしすぎを避けるため、パソコンを使うときには電源ケーブルを外して、充電しないようにしましょう!

また、逆に電源ケーブルを使うときには、バッテリーをはずして使うこともバッテリーの寿命を延ばします。

充電させるなら充電、放電させるなら放電とメリハリをつけるのがコツです。

4.バッテリーを長持ちさせる使い方

では、バッテリーそのものの寿命ではなく、充電したバッテリーの駆動時間を延ばすコツを説明しましょう。まず、消費電力を少なくすることが第一です。モニターの明るさ(輝度)を暗くする、こまめに無線LANをオフにするなど、パソコンが詳しくなくてもできる節電は意外とたくさんあります。

設定変更にはキーボードやスイッチなど外部から手で操作する方法(ハードスイッチ)と画面の中の操作(ソフトスイッチ)があります。

4-1.モニター輝度を調整する

4-1-1.パソコン本体のハードスイッチ

キーボードにある、お日様のようなマークのキーを操作することで、モニターの輝度調整を行うことができます。マークに「+」や「▲」が付いているキーはモニターが明るくなり、「-」や「▼」が付いているキーは暗くなります。マークに色や枠が付いているときは、同じ色や枠の付いたキー(一般的には「Fn」キー)と一緒に操作します。

モニターが暗くなるキーを押して、操作に不便がない程度に画面を暗くすることで、バッテリーの消費電力を抑えることができます。なお、ノートパソコンの本体に独立した輝度調整ボタンを搭載する機種もあります。

4-1-2.OSの機能(Windows)

モニターの明るさは、OSの機能から調整することもできます。Windows 8および8.1では、マウスカーソルを画面の右側上下端に持って行くと表示される「チャーム」から設定できます。チャームから設定のアイコンをクリックし、「明るさ」というアイコンをクリックすることで明るさを調整できます。

チャームから「明るさ」をクリック

スライダーで明るさを調節
 

また、コントロールパネルの「電源オプション」で設定することもできます。「Windows」キーと「X」キーを押して表示されるメニューから「電源オプション」をクリックすると、「電源オプション」画面が表示されます。

この画面の下の部分にある「画面の明るさ」のスライダーを動かすことで、明るさを調節できます。左側へスライダーを動かすと、画面が暗くなります。なお、調整の際には画面上に明るさ調整のゲージが表示されます。

Windows 8/8.1の設定画面
 

Windows 7の場合は、コントロールパネルから「ハードウェアとサウンド」→「電源オプション」→「画面の明るさの調整」とクリックしていくと、「電源プランの選択」の画面が開きます。この画面の下の部分に、調整用のスライダーがあります。

Windows 7の設定画面
 

4-1-3.OSの機能(Mac)

Macの場合は、「システム環境設定」の「ディスプレイ」でモニターの明るさを調整できます。「ディスプレイ」の設定画面を開くと、「輝度」のスライダーがありますので、これを動かして調整します。

Macでの設定画面
 

4-2.使わないときは無線LANを切る

モニターと並んで電力消費の大きいものが無線LAN(Wi-Fi)です。無線LANは、周囲に無線LANがある稼働を常にチェックしているため、消費電力が大きくなるのです。インターネットに接続する必要のないときには、無線LANを切っておくことで消費電力を抑えることができます。

4-2-1.パソコン本体のハードスイッチ

無線LANのハードスイッチは、パソコン本体の側面あるいは前面にあります。ただし、スイッチの表記が「無線LAN」「Wi-Fi」「WIRELESS LAN」など機種によって異なっていますので注意しましょう。また、Macには無線LANをオフにするハードスイッチは搭載されていません。

無線LANのON/OFFスイッチ
 

4-2-2.OSの機能(Windows)

無線LAN機能のオン、オフは、OSの機能から設定することもできます。コントロールパネルの「電源オプション」で設定することもできます。「Windows」キーと「X」キーを押して表示されるメニューから「ネットワーク接続」をクリックします。「デットワーク接続」画面が表示されるので、「Wi-Fi」のアイコンを右クリックし、メニューから「無効にする」をクリックします。

Windows 8/8.1の設定画面
 

Windows 7の場合は、コントロールパネルから「ネットワークとインターネット」→「ネットワークと共有センター」と開き、画面の左側にある「アダプターの設定の変更」をクリックします。ネットワーク接続機能の一覧が表示されるので、「ワイヤレスネットワーク接続」のアイコンを右クリックし、メニューから「無効にする」をクリックします。

Windows 7の設定画面
 

4-2-3.OSの機能(Mac)

Macの場合は、メニューバーにあるWi-Fiのアイコンをクリックします。プルダウンメニューが表示されるので、「Wi-Fiを切にする」をクリックします。

Macでの無線LANのON/OFF

5.その他、バッテリーに知っておくべき4つのこと

5-1.「充電し過ぎ」がダメな理由

リチウムイオン電池での注意で意外と知られていないのが「満充電を避けること」です。電源ケーブルをつないでパソコンを使った場合、消費する電力より充電される方が多いため、使っているうちに満充電されてしまいます。

しかし、バッテリーはガソリンではないので、満タンにすればいいというものではありません。満充電するとリチウムイオン電池を痛めてしまうのです。リチウムイオン電池は、80%の充電で使用すると2,000回まで充放電が可能ですが、100%充電してしまうと、充放電回数が500回ぐらいまで低下するのです。

つまりリチウムイオン電池は、満タンに充電することで寿命が1/4になってしまい、毎日充電していた場合には2年ももたないということになります。

一方、ニッケル水素電池は「メモリ効果」が発生します。これは「充電しはじめた容量を0%充電と記憶する」という現象です。すぐに発生する現象ではありませんが、ニッケル水素電池を長い間使っていると発生します。

ニッケル水素電池の「メモリ効果」
 

ノートパソコンをいつも電源につないだまま使用していると、バッテリー残量はほとんど残っています。ここでメモリ効果が発生すると、バッテリーに電力が残っていても、表示は0%表示になってしまいます。ほとんどの電力が使われないわけですから、これは相当な無駄になります。

また、充電しながらノートパソコンを使っていると、バッテリーがノートパソコンの熱にさらされることになります。バッテリーは化学反応で充放電しますから、熱にさらされると寿命が縮んでしまいます。

5-2.リチウムイオン電池の過放電はバッテリーを痛める

リチウムイオン電池は「小惑星探査機はやぶさ」にも使われたことがあるほど優秀なバッテリーです。一方、放電をしすぎるとバッテリーとしての機能がなくなってしまいます。はやぶさも行方不明になったときに過放電になり、11あったリチウムイオン電池のうち4つが充電できなくなっていたといいます。

リチウムイオン電池は、電力残量が20%程度になったら、電源ケーブルをつないで充電し、80%まで充電できたらケーブルを外すようにしたらバッテリーの寿命をのばすことができますが、常にバッテリー残量を気にしながら使用するのは現実的ではありません。ノートパソコンの機種によってはバッテリー管理ツールで寿命を延ばすためのモードで充電を自動調整するものもありますので、そのようなツールを使用しても良いでしょう。

5-3.ニッケル水素電池の過放電はメモリ効果の予防に有効

ニッケル水素電池の場合、使い切らないまま充電するとメモリ効果が発生します。このため、月に一度は0%ぐらいになるぐらいまでバッテリーを使用するようにしましょう。メモリ効果の発生を防止できます。

リチウムイオン電池と異なり、ニッケル水素電池は充電前にできるだけ使い切るようにします。

5-4.電源をつないだままの保管は充電放電がくり返される

テレビには「待機電力」というものがあります。リモコンで簡単に起動できるように、テレビは通常完全には電力を切らずに使います。

パソコンも同じで、シャットダウンしても少しずつ電力を使っています。もちろん、ノートパソコンを電源につないでいれば、そこで消費した電力はすぐに充電され100%になります。

つまり、電源ケーブルをつないだままノートパソコンを放置するということは、充電回数を減らした上にその充電回数を「まったく使わないまま消費すること」になります。おおよそ決まっている充電回数を無駄にくり返してしまうわけです。

ニッケル水素電池の場合は、メモリ効果の発生という問題があります。ノートパソコンを使っていない状態での電力消費はわずかなものですから、充電しながら使っている状態よりもメモリ効果は大きくなります。

つまり、リチウムイオン電池でもニッケル水素電池でも保管をちょっとおろそかにすることで、ほとんど使っていないパソコンのバッテリーが、バリバリ使っているパソコンのバッテリーよりもダメになってしまうことが起きるのです。

6.最後に

ノートパソコンのバッテリー、特にリチウムイオン電池はニッケル水素電池の倍の容量を持つなど高性能です。しかし、劣化が進んだリチウムイオン電池を無理に使うのは発火や破裂の恐れがあり、大容量であるために危険であるともいえます。劣化が進まなければそれだけ安全に使えるということを意味するので、劣化させない=安全とおもっても良いかもしれません。

また、上手に使用した場合には2年といわず、倍以上の寿命が期待できます。「エコ」の観点からもバッテリーは長持ちさせたいものですね。

※記事内容の利用実施は、ご自身の責任のもとご判断いただくようお願い致します。

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