昔とは違う!レジストリクリーナーの必要性とPCを高速化する方法
レジストリクリーナーでレジストリを整理整頓し、PCのパフォーマンスを向上(高速化)しようとしていませんか?レジストリに関しては古い知識が定着していて誤解されがち。実はかつてほどPC高速化に重要なものではなくなっています。ここではまずレジストリクリーナーの基礎をまとめます。
レジストリクリーナーを用いてレジストリを整理整頓し、PCのパフォーマンスを向上(高速化)しようとお考えではありませんか? レジストリに関しては古い知識が定着していて誤解されがちなので、ここではまずレジストリクリーナーの基礎をまとめます。そして、実はかつてほどPC高速化に重要なものではなくなっているということを見ていきます。
レジストリクリーナーに関する正しい知識と、速度向上のための有効な方法を解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
1.レジストリクリーナーの基礎知識
1-1.レジストリを整理整頓するのがレジストリクリーナー
レジストリは、OSの基本情報をはじめアプリケーションの設定やパスワードなど、PC内のすべての設定情報をまとめたデータベースです。
アプリをインストール・アンインストールしたり設定変更するたびに、その情報がデータベースに集積されていきます。それが多くたまってしまった状態を整理整頓、クリーニングしようというのが「レジストリクリーナー」です。
Macにレジストリの仕組みは存在しない
なお、レジストリはWindows特有の概念で、macOSにはありません。例えばアプリケーションの設定情報の管理方法ですと、Windowsはレジストリに設定情報の全て集約されているのに対し、Macはアプリケーションごとに作成される「初期設定ファイル」が設定情報を管理します。
1-2.レジストリクリーナーの今昔
1-2-1.レジストリが肥大化した一時代前は大活躍
Windows XPよりも前のOS(2000、Me、98など)では、PCを長期間使用しているとレジストリが肥大化し、PCの動作が遅くなる等の不具合が起こりました。そこで、レジストリクリーナーを用いてレジストリを最適化し、高速化するというフリーソフトが流行ったのです。
1-2-2.XP以降はレジストリが肥大化するケースが減少
しかし、現在使われているWindows10やそれ以前のバージョンであるVista、7、8に関しては、レジストリの肥大化によってパフォーマンスが低下するという欠点が改善されています。レジストリはOSの自己管理に任せておけば基本的に問題ないというのがMicrosoftの公式な見解です。これはおそらくWindows11でも同様でしょう。
1-2-3.Windows11以降もレジストリの問題は改善の傾向
Windows10、さらにその次期バージョンであるWindows11においてもレジストリが肥大化する問題は改善される傾向にあり、別途レジストリクリーナーを使用する必要性は低くなっています。
それどころか、Windowsの開発元であるMicrosoft社はレジストリクリーナーの使用をサポートしないと公式にアナウンスしており、必要性が低くなるだけでなく「使用しない」ことが推奨される流れになっています。
1-3.セキュリティソフトの「レジストリクリーナー」について
以前はレジストリクリーナーとして単体のソフトが多く開発・供給されていましたが、その後は最適化ツールなどのユーティリティソフトがセキュリティソフトに統合されるようになり、それが利用されるケースが多くなりました。
現在もユーティリティソフトの機能は多くのセキュリティソフトに実装されていますが、これらはブラウザやWindowsの一時ファイルを削除して動作の快適性を高めることが狙いのものがほとんどです。
レジストリクリーナーの必要性が薄れていることを受けて、各社セキュリティソフトの機能もそれに対応したものになっています。(現在発売しているノートン セキュリティ製品にレジストリクリーナーの機能はありません)
1-4.フリーのレジストリクリーナーにはリスクある製品も
レジストリクリーナーのフリーソフトは多数あり、その中にはマルウェアやアドウェアをインストールしようとするものもあります。特に海外製のフリーソフトを安易に使用すると、思わぬトラブルに遭う原因となりますので注意が必要です。
その他にも悪意がなくてもソフトの不具合や開発力の未熟さゆえにPCが起動しなくなってしまうトラブルも発生しており、無料で提供されているレジストリクリーナーにはリスクが付き物であることを認識しておきましょう。先ほども述べたように、Microsoft社は公式にこうしたレジストリクリーナーの使用に対してサポートを行っていないことを公式にアナウンスしています。
⇒レジストリのクリーニング ユーティリティを使用するためのMicrosoftのサポート ポリシー(Microsoft)
1-5.レジストリの肥大化を煽る情報に注意
PCを使用しているとレジストリが肥大化し、やがて動作が遅くなったり不具合の原因になるというのは、過去の話といって良いでしょう。しかし、こうした過去の話を今も利用して不安を煽り、レジストリクリーナーと称するソフトをダウンロードさせようとする行為が後を絶ちません。
こうした自称レジストリクリーナーがどんなソフトであるかは分かりませんし、中には悪意のあるソフトが含まれている可能性があるので、くれぐれも注意するようにしてください。
1-6.Windows標準のレジストリエディターに関する注意
Windowsには標準のレジストリエディターが実装されています。レジストリを直接開いて編集することができますが、レジストリの知識が十分ではない人は編集しないようにしましょう。良く分からないままに編集をしてしまうとWindowsが起動しないような重大な不具合を招く恐れもあります。
ちなみにレジストリクリーナーと呼ばれているソフトの多くは、この編集作業を自動化したものです。専用ソフトだから安心だと思ってしまいがちですが、この危険な作業を行っていることに変わりはないので、Windowsのシステム設定情報であるレジストリに安易に触れることはリスクが高いことを認識しておいてください。
2.無料でPCの高速化を実現させるには
セキュリティソフトに含まれるユーティリティ機能はPCの高速化を実現できますが、多くのソフトは有料ソフトということもあり、遠慮する人もいるでしょう。無料で何とか高速化したいというのであれば、以下の方法も試してみてください。
なお、PCのスペックや環境によって効果のほどは左右されます。1つ試して高速化を実感できなかったとしてもそこで辞めず、複数の手順を試してみましょう。
2-1.Windows10のパフォーマンスを向上させる手順
ここでは、Windows10のパフォーマンスを向上させる手順として、6つの方法を解説します。Windows10の動作が重いと感じる場合は、これらの方法を試すことでパフォーマンスを改善できる可能性があります。いずれもWindows10の標準機能なので、特にアプリなどを追加しなくても実行可能です。
1.バックグラウンドアプリで不要なものを閉じる
画面左下のWindowsマーク⇒歯車アイコンの順にクリックすると、設定画面になります。ここで、「プライバシー」をクリック。
次の画面で左メニューを下にスクロールすると「バックグラウンドアプリ」の項目があるので、ここをクリック。
右側に表示されているのが、バックグラウンドで動作しているアプリ群です。この中に明らかに不要なものがあれば、オフにすることでPCの負荷を軽減することができます。もし、そのことで不具合が見られるようであれば再びオンにすれば問題ありません。
2.スタートアップから不要なものを削除する
「スタートアップ」にはWindowsの起動時に一緒に起動するアプリが登録されています。不要なアプリが毎回自動的に起動しているようだとそれもPCへの負荷を高めるので、スタートアップから削除することで以後自動的に起動することはなくなります。
左下のWindowsマークをクリックし、アプリの一覧を表示します。ここに「Windowsシステムツール」のフォルダがあるので、それをクリックして開き、「ファイル名を指定して実行」をクリックします。
そこで開いたウインドウに、「shell:common startup」を入力してENTERキーを押すと、スタートアップアプリが登録されているフォルダが開きます。
このフォルダにあるショートカットはすべて起動時に自動起動するので、不要なものがあれば、削除しておきます。
なお、ノートンユーザーはノートンの「起動マネージャ」によって自動的に起動するアプリの管理が可能です。起動マネージャの利用方法は、以下のページに詳しい解説がありますのでご参照ください。
こちらの起動マネージャ画面から、不要なものについてチェックを外して「適用する」をクリックすると、自動的に起動しなくなるため、PCの負荷が軽減されます。
3.不要なクラウドサービスを閉じる
クラウドサービスが常駐していると、これもPCへの負荷を増大させます。企業によってはクラウドストレージサービスの利用が禁止されている場合もあるので、こうしたサービスをオフにしておくとPCへの負荷が軽減されます。
・OneDriveの自動起動をOFFにする
例えばMicrosoft社のクラウドストレージサービスであるOneDriveをオフにするには、タスクバーにあるOneDriveのアイコンをクリックし、開いたウインドウの中にある「ヘルプと設定」をクリック、さらに「設定」をクリックすると以下の設定画面になります。
このチェックを外しておくと、以後Windowsの起動時にOneDriveが自動的に起動することはなくなります。
4.不要なアプリを削除する
不要なアプリが大量にインストールされたままになっているのも、PCへの負荷を増大させます。今後も使う予定がないアプリは、この機会に削除しておきましょう。
画面左下のWindowsマーク⇒歯車アイコンの順にクリックすると、設定画面になります。ここで、「アプリ」をクリック。
次にアプリの一覧画面になるので、このアプリの中に不要なものがあれば該当するアプリをクリックし、「アンインストール」をクリックして削除します。
5.記録デバイスを最適化する
ハードディスクの読み書きを繰り返していると、データの断片化という現象が生じます。これを整理整頓することによってパフォーマンスの向上が期待できますが、その作業を最適化(デフラグ)といいます。
「PC」の画面から対象となるハードディスクを右クリックし、「プロパティ」をクリックしたうえで、以下の画面で「ツール」のタブをクリックし、「最適化」をクリックします。
以降は画面の指示に従って操作を進めるだけです。
この最適化に関しては、あくまでもハードディスクを対象とした処理であることを付け加えておきたいと思います。というのも、Windowsの最適化機能はハードディスクを想定したものであり、SSDで同じことを行ったとしても効果があまりないといわれているからです。
しかも、SSDには書き込み回数の上限があるので、最適化による書き込み処理を繰り返すことによってSSDの寿命を縮めてしまう可能性があります。よって、SSDへの最適化処理は避けたほうが無難です。
6.クリーンアップを実施する
お使いのセキュリティソフトにクリーンアップの機能があれば、それを利用してクリーンアップを実施すると、パフォーマンスの改善が期待できます。ただしクリーンアップについてはセキュリティソフトを導入していると定期的に行われるため、あまり意識しなくても良いかもしれません。
無料のレジストリクリーナーについては、Microsoft社が公式に推奨しない旨のアナウンスをしていることを考えても、レジストリの編集を自身で行える上級者の方以外はやめておいたほうが無難といえるでしょう。
2-2.Windows 7のパフォーマンスを向上させる10の手順
すでにサポートは終了していますが、Windows 7を使用している方のためにパフォーマンスを高めるための10個の最適化手順をお伝えします。
1.パフォーマンスのトラブルシューティング ツールを使用する
コントロールパネルの検索ボックスに「トラブルシューティング」と入力し、検索されたトラブルシューティングをクリックします。
続いてシステムとセキュリティの「パフォーマンスの問題を確認する」をクリックし、その後はダイアログを進めることで問題の検出と修復ができます。
2.使用していないプログラムを削除する
コントロールパネルでプログラム→プログラムと機能の順にクリックすると、上写真の画面が表示されます。さらにプログラム名をダブルクリックすると、アンインストールの手順に進みます。
3.起動時に実行するプログラムの数を制限する
無料ツールAutoruns for Windows(上写真)で、プログラム名の前にあるチェックボックスをオフにすると、そのプログラムはWindowsの起動時に立ち上がらないようになります。
ダウンロード:Autoruns for Windows
4.ハードディスクを最適化する
スタートボタンをクリックして検索ボックスに「ディスク デフラグ ツール」と入力し、検索された「ディスク デフラグ ツール」をクリックすると上写真の画面が表示されます。
「ディスクの分析」では最適化が必要かどうかを調べられ、「ディスクの最適化」では最適化が行われます。
※SSD(ソリッドステートドライブ)について
近年、HDDと比べて読み書きスピードが速く、消費電力の少ないSSDを搭載するPCが増えてきていますが、Windows 8.1では様々な種類のドライブに対応した最適化の機能が用意されています。
5.ハード ディスクをクリーン アップする
スタートボタンをクリックして検索ボックスに「ディスク クリーンアップ」と入力し、検索された「ディスク クリーンアップ」をクリックすると上写真の画面が表示されます。
この一覧から削除したいファイルのチェックボックスをオンにして「OK」をクリックすると、ディスクの空き容量が増加します。
6.同時に実行するプログラムの数を減らす
多くのプログラムを実行させていると、PCのパフォーマンスへ影響を及ぼします。必要のないプログラムやウインドウは閉じてしまいましょう。
7.視覚効果を無効にする
コントロールパネルの検索ボックスに「パフォーマンスの情報とツール」と入力し、検索された「パフォーマンスの情報とツール」をクリックすると下写真の画面が表示されます。
視覚効果タブの「パフォーマンスを優先する」を選択し「OK」をクリックすると、視覚効果が制限されパフォーマンスが向上します。
8.定期的に再起動する
再起動をするとメモリがクリアされ、また誤ったプロセスやサービスを確実に停止させることができます。
9.ウイルスとスパイウェアを確認する
定期的にセキュリティソフトでスキャンをすることが推奨されます。
10.コンピュータの速度を確認する
コントロールパネルの検索ボックスに「パフォーマンスの情報とツール」と入力し、検索されたパフォーマンスの情報とツールをクリックすると、上写真の画面が表示されます。
主要コンポーネントが1から7.9の範囲で評価され、評価が2または3より低い場合は、コンピュータでどのような処理が必要かに応じて、新しいPCの購入やパーツの交換が推奨されます。
2-3.Windows XP/Vista/8.1のパフォーマンスを向上させる
手順
Windows 7以外のOSに関しても、3-1で解説したものとほぼ同様の手順を使えば、高速化を実現させることができます。詳しい手順の内容については、下記をご参照ください。
【WindowsXP】
- 使用しないプログラムの削除
- スパイウェア対策ソフトウェアのインストールおよび実行
- 無駄な領域の解放
- ハード ディスク ドライブの最適化
- 使用しないネットワーク接続の切断
【Windows Vista】
- 使用しないプログラムを削除する
- 開始時にロードされるプログラム数を制限する
- ハード ドライブを最適化する
- ハード ディスクをクリーンアップする
- 同時に実行するプログラム数を減らす
- 視覚効果をオフにする
- 定期的に再起動する
- ウイルスおよびスパイウェアを確認する
- コンピュータの速度を確認する
- 必要のないサービスを無効にする
【Windows 8.1】
- PC ドライブの空き容量を増やす
- ハード ドライブを最適化してパフォーマンスを向上させる
3.レジストリに関する警告は無視して問題なし
インターネット上に「レジストリエラーが発見されました」「パソコンの性能が低下しています」等の警告メッセージを表示させて、それを修復するソフトを導入させようとする詐欺に近い広告があります。
広告リンクから誘導されるなど、この怪しいメッセージに遭遇する機会は少なくありません。しかし、こうしたメッセージは無視して問題ありません。
4.まとめ
旧来のWindowsではレジストリが肥大化しやすく、レジストリクリーナーが活躍していました。しかし現在はその欠点が改善されており、レジストリはOSの自己管理に任せておけば良く、レジストリクリーナー単体が活躍する場面は無いに等しくなっています。
PCの高速化を図りたいのであれば、それを実現するセキュリティソフトでウイルス対策とともに一元管理できます。あるいは無料で高速化をしたい場合は、「無料でPCの高速化を実現させるには」で紹介したパフォーマンスを高める手順を実行しましょう。
※記事内容の利用実施は、ご自身の責任のもとご判断いただくようお願い致します。
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