勝手に広告を表示するアドウェアの削除方法と3つの予防策
勝手に表示される広告、ブラウザのホームページがいつもと違う…これらの現象を引き起こしているのはアドウェアという広告表示ソフトです。すぐにでも削除したい人は、この記事で取り上げている最も手軽な削除方法を試してみてください!
勝手に表示される広告にウンザリ、ブラウザのホームページがいつもと違うページになっている、ブラウザに知らないツールバーが追加されている、スマートフォンであれば画面全体に邪魔な広告が表示される…これらの現象に心当たりはありませんか?
身に覚えのない現象が起きると「ウイルスに感染した?」と不安を感じてしまう方が多いと思いますが、こうした現象を引き起こしているのはアドウェアという広告表示ソフトです。ユーザーの意思に反して強制的に広告を表示するため不快に感じる人が多く、すぐにでも削除したいところです。
そんな時のために必要なアドウェアの基礎知識から最も手軽な削除方法、そして今後またアドウェアの被害に遭わないための予防策をまとめました。
1.アドウェアとは何か、何が問題なのか
1-1.アドウェアとは
アドウェアは広告を表示する機能を持つソフトウェアのことです。広告を意味する「advertisement」と、ソフトウェアの「ウェア」をつなげた造語で、アルファベットでは「adware」と表記します。
これだけならそれほど迷惑な存在でもないのですが、問題はこうしたアドウェアがユーザーの意思とは無関係にフリーソフトなどと同時にインストールされ、広告を強制的に表示したりすることです。(しかし、ユーザーはインストール時に使用許諾を確認して自らインストールしているため「侵入」ではありません) ブラウザのホームページが変更されて広告に誘導するようなページになっていたりと、あの手この手で広告を表示しようとします。
ノートンではウイルスなどを含むマルウェアのことをセキュリティ上の「脅威」と見なしていますが、アドウェアはどちらかというと邪魔なだけの存在なので、セキュリティ上の脅威ではなく「リスク」に分類しています。
ただし、アドウェアの中にはユーザーのサイト閲覧履歴などを通じて趣味・趣向に関する情報を収集するものがあります。こうした働きがやがて脅威に発展する可能性があるので、一般的な定義が曖昧ではあるものの一部のアドウェアは限りなくマルウェアに近い存在だと見なされることもあります。
1-2.アドウェアの迷惑被害
アドウェアがインストールされた場合、以下のような迷惑被害が考えられます。
・ポップアップ広告が強制的に表示される
閲覧中のウインドウとは別のウインドウが勝手に開いて、そこに広告を強制的に表示します。広告の内容も品が良くないものが多いため、ポップアップが勝手に開くことに加えて不快感を抱くことになります。
・ホームページが変更される
ホームページとは、ブラウザを起動した時に最初に表示されるページのことです。通常はGoogleやYahoo!などにしている人が多いと思いますが、これがアドウェアを仕掛けた側のページに変更されることがあります。
「Babylon Search」「Delta Search」「Hao123」などはどれも有名で、これらはいずれもアドウェアがインストールされたことによって設定されてしまったホームページです。
このようにホームページを改変するアドウェアのことをブラウザハイジャッカーともいいます。
・ブラウザにツールバーが追加される
最近は目にする機会が減りましたが、アドウェアの中にはブラウザにツールバーを組み込むタイプのものがあります。意図していないツールバーが増えることでブラウザの使い勝手が変わってしまい、そのサービスを利用するつもりもないのでとても迷惑で邪魔な存在です。
・怪しげな警告表示とともにソフト購入を求めてくる
「ウイルスが検知されました」「スパイウェアが発見されました」などの警告メッセージを表示して、不安を煽って偽のセキュリティソフトを購入させるという詐欺まがいのアドウェアもあります。こうした偽セキュリティソフトを買ってしまうことの金銭的被害だけでなく、そこに入力したクレジットカード情報が盗み取られる可能性もあるので、とても悪質です。
1-3.アドウェアを放置していると起きること
アドウェアは広告を表示させることが第一目的なので、放置していると意図しない広告が表示され続け不快です。
かつて多かったツールバーインストール型のものにブラウザ上部が占拠されているような状態も多々見られました。
また、アドウェアの中にはユーザーの情報を収集して送信するというスパイウェアのような働きをするものもあるため、放置しているとどんどん情報を送られてしまい、単なるリスクから脅威に発展するような事態も起きかねません。
やはり、アドウェアはなるべく早く削除してしまうべきです。
1-4.スマートフォンを標的としたアドウェアの被害
世界的にiOSよりも高いシェアを持ち、マルウェアがiOSよりも多数存在するとされているAndroidにはアドウェアも悪質なものが存在しています。有用なアプリになりすまし、Google Playからのダウンロードを可能にしているため判別が難しく、しかもひとたびインストールしてしまうと削除されないためにいろいろな手段を講じてくるという悪質さです。
こうした動きは今後も継続すると見られており、スマートフォンユーザーも公式サイト以外からアプリをダウンロードしない、そもそも無料だからという理由だけでよく分からないアプリをインストールしないことなど、アドウェアに対してセキュリティ意識を持つ必要があります。
2.アドウェアを削除する方法
アドウェアという名前なので特別な存在に感じますが、その多くは普通のソフトと同じくインストールしたことによって組み込まれたものです。そのためアドウェアを削除するにはアンインストールするのが常道ですが、中には普通のアンインストールではうまく削除できないことがあります。
そこで使いたいのが、総合セキュリティソフトです。有名なセキュリティソフトの多くはアドウェア削除機能を持っているので、こうしたセキュリティソフトの無料体験版を使えば費用をかけることなく削除することができます。
主なセキュリティソフトの無料体験版は、以下からダウンロード可能です。いずれの無料体験版もWindows / Mac / Android 版があるマルチプラットフォーム版です。
セキュリティソフト名 | 体験版日数 |
---|---|
ノートン 360 | 30日間 |
カスペルスキー セキュリティ | 30日間 |
マカフィー トータルプロテクション | 30日間 |
ウイルスバスター クラウド | 30日間 |
3.アドウェアを知らないうちにインストールしない3つの予防策
3-1.フリーソフトなどをインストールする時はチェックを十分に
フリーソフトをインストールする時というのは、何か目的があって今すぐインストールして使いたいという場合が多いと思います。それゆえにインストールに対する意識が雑になってしまい、安易に「次へ」または「Next」などのボタンをクリックして先に進めているうちにアドウェアのインストールに同意してしまっている可能性があります。
「高速インストール」や「自動インストール」などのモードがある場合も同様で、こうしたモードにはアドウェアのインストールが含まれているかもしれないので、必ずカスタムインストールにして不必要なソフトまで一緒にインストールしないように確認してください。
実際にアドウェアがユーザーに接近するケースで多いのはこの「高速インストール」「自動インストール」などの聞こえの良い単語が使われいる時です。この場合インストール時に注意するだけでアドウェアのインストールを防げるので、特にフリーソフトのインストール時にはいつも気をつける癖をつておくと良いでしょう。
3-2.信頼できないサイトからソフトをダウンロードしない
ソフトをダウンロードする際には、そのサイトの信頼度にも注目しましょう。怪しげなサイトからダウンロード可能な無料ソフトが危険であることは言うまでもないことで、アドウェアどころかさらに危険なウイルスなどのマルウェアが潜んでいるかもしれません。
たとえ有名なソフトであっても怪しげなサイトからダウンロードすると、それがニセモノである可能性も否定できません。ソフトをダウンロードする際は原則として開発元の公式サイト、また「ベクター」「窓の杜」など一定の信頼があるダウンロードサイトを利用するようにしましょう。
しかし、それらの信頼できるサイトからダウンロードしたファイルにアドウェアが100%含まれていないという保証はありません。インストールの際、チェックは確実に行うべきです。
スマートフォンの場合はApp StoreやGoogle Playで検索するのが確実です。
3-3.セキュリティソフト以外の警告表示は無視する
「あなたのパソコンからスパイウェアが検出されました」という主旨の警告メッセージを表示して不安を煽ってきますが、これは偽の警告なので無視して構いません。クリックをして、そこで販売されているソフトを買ってしまうと別の被害が出てしまう可能性があるので、間違ってクリックしてしまったとしてもその先に進まないようにしましょう。
原則として、セキュリティソフト以外の何かがウイルスやスパイウェアを検知することはできません。このようなセキュリティソフト意外が出す警告表示は、普通の広告の場合もありますが、アドウェアの可能性も考えられるので注意が必要です。
偽の警告については以下にも記事がありますので、ご参照ください。
⇒ 疑わしいセキュリティ警告の見破り方と騙されないための対策
⇒ Googleからのウイルス警告への対処法と今後の対策
⇒ 偽警告文「アップルセキュリティ」その手口と正しい対処法
4.まとめ
この記事をお読みになった方の多くは、アドウェアが引き起こしている現象に何らかの心当たりをお持ちだと思います。邪魔な広告や警告表示など、これらの不快な現象を引き起こしていたのはアドウェアである可能性が高いと思われます。
アドウェアは脅威には分類されないものの、迷惑な存在で放置していると脅威に発展してしまうリスクがあります。まずはセキュリティソフトの体験版で費用をかけることなく削除してしまいましょう。
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