動きの遅いパソコンをサクサク快適に使う対処方法のまとめ

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パソコンが遅いとイライラしてしまいますよね。パソコンが遅い原因にはいろいろなものがあるので、原因を突き止めるのはプロでも難しい場合があります。ここでは、状況別に考えられる原因を探っていきましょう。


パソコンの起動や動作が遅いことでイライラしてしまっていませんか?パソコンは使うごとにデータが増えていくので、気づかないうちに少しずつ遅くなっていくものですが、それも程度問題。コンピューターなのですから、いつもサクサクと快適に動いて欲しいものです。あまりにも動作が遅いと思わぬミスの原因にもなるので、何とかしたいとお感じの方は多いと思います。

また、単にパソコンが遅いといっても、パソコンを起動するのに数分もかかったり、ブラウザの画面がなかなか表示されない、画面の切り替わりに時間がかかるなどなど、さまざまなケースがあります。パソコンが遅いと時間的なロスだけでなくイライラすることによって精神的にも悪影響を及ぼします。

とはいえ、パソコンが遅い原因にもいろいろなものがあるので、原因を突き止めるのは熟練者でも難しい場合があります。ここでは、状況別に考えられる原因を探っていきましょう。

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1.パソコンの起動が遅い場合の対処法

パソコンの起動に時間がかかる場合は、同時起動のソフトウェアが多すぎることや、ハードディスクの空き容量が少ないこと、多くの周辺機器が接続されていることなどが原因と考えられます。

1-1.OSと同時に起動するソフトウェアが多い

ソフトウェアには、初期設定でパソコンの起動時に合わせて起動するものがあります。こういったソフトウェアが多くインストールされていると、パソコンの起動時に次々に起動していくことになるため、起動が終わるまでに時間がかかるようになります。

[対処法]

●Windowsの場合
Windows起動時に合わせて起動するソフトウェアは、当然ながらWindowsの起動後にタスクバーなどに表示されます。これらのソフトウェアの設定画面で同時起動しないように設定することができます。

またWindowsでは、「スタートアップ」でWindowsと同時起動するソフトウェアを確認できます。

・スタートアップ

Windows 8、Windows10では、エクスプローラーで [PC] →システムの入っているドライブ(一般的には「C」)→ [ユーザー] →ユーザー名のフォルダ→ [AppData] → [Roaming] → [Microsoft] → [Windows] → [スタートメニュー] → [プログラム] → [スタートアップ] と開くことで、Windowsと同時起動するソフトウェアを確認できます。こちらもショートカットですので、不要なものは削除して構いません。


なお、最初にフォルダの [表示] タブをクリックして [隠しファイル] にチェックを入れて、隠しファイルを表示するように設定しましょう。

Windows 7以前の場合は、[スタート] メニューに [スタートアップ] の項目があるので、ここからWindowsと同時起動するソフトウェアを確認できます。ここにあるのはショートカットですので、不要なものは削除して構いません。

Windows 7以前では、スタートメニューから直接確認することができます。

なお、ユーティリティ系などのソフトウェアを使って、Windowsと同時起動するソフトウェアを管理することも可能です。たとえばセキュリティソフト「Norton」では、「起動マネージャー」で管理できます。

●Macの場合

Macの場合は、[システム環境設定] の [ユーザとグループ] から該当するユーザー名をクリックし、タブを [ログイン項目] に切り替えると、Macの起動時に同時起動するソフトウェアを調べることができます。不要なものはソフト名をクリックして [-] をクリックします。 

Macの場合は「システム環境設定」の「ユーザとグループから「ログイン項目」を開きます

1-2.ハードディスクのデータが断片化している

ハードディスクには通常、データが連続して書き込まれていきます。しかし、ハードディスクの容量が減ってくると、ひとつのデータを離れた場所に分割して書き込まれていきます。これをデータの断片化(フラグメンテーション)といいます。断片化が激しくなると、データを読み出す速度が低下し、結果的にパソコンが重くなります。


近年ではハードディスクドライブ(HDD)ではなく、読み込み・書き込みがより高速なソリッドステートドライブ(SSD)を搭載するパソコンが一般的になりました。SSDでも断片化は発生しますが、Windows 10 でデフラグの代わりとなるSSD用の最適化機能が搭載されているため基本的にユーザーが「デフラグ」を実施する必要がなくなりました。

[対処法]

●Windowsの場合
Windowsには、断片化を修正(デフラグメンテーション)する「デフラグ」という機能があります。デフラグを実行すると、断片化されていたデータを連続したデータに並び直すので、データを速く読み出せるようになり、パソコンの動作速度を向上できます。

・デフラグ

Windowsの場合は、エクスプローラーで [PC] を表示し、ドライブを右クリックして [プロパティ] を選択すると、ドライブのプロパティ画面が開きます。[ツール] をクリックすると [ドライブの最適化とデフラグ] という項目があるので、[最適化] をクリックします。

●Macの場合
Macの場合は、デフラグを自動的に行うような機能がOSに組み込まれています。このため、基本的にMacではユーザーがデフラグを実行する必要がないとされています。

1-3.そもそもパソコンが古くなって適応しにくくなっている

パソコンが古くなっていることで動作が遅いというのは、避けがたい根本的な問題です。使用しているソフトウェアは最新版にアップデートされていくにも関わらず、ハードディスクだけでなくメモリが小さいこと、CPUの性能不足などが相まって動作が遅くなってしまっている可能性もあります。

その場合は買い替えが有効な選択肢です。パソコンの買い替えについてのポイントは第5章で解説します。

2.全体的に動作が遅い場合の対処法

パソコンの動作が全体的に重い場合は、いくつかの原因が考えられます。ここでは一般的なものとして、メモリ不足、ソフトウェアの立ち上げすぎ、セキュリティソフトのスキャン、ハードディスクの断片化を説明します。また、古いパソコンで最新のソフトウェアを動かすと動作が重くなることがありますので、その場合は第5章で解説する買い換えも視野に入れましょう。

2-1.メモリの容量が少ない

パソコンは基本的に、ハードディスクなどの記憶領域に格納されたソフトウェアやデータをメモリに読み込んで動作させます。このため、ソフトウェアをたくさん起動させるとメモリが足りなくなってしまいます。するとパソコンは、ハードディスクの空きスペースをメモリ代わりに使用します。ハードディスクの情報を読み込む速度は、メモリにある情報を読み込むよりもはるかに時間がかかるので、パソコンの動作が遅くなってしまうのです。

[対処法]

まずは、現在パソコンがどのくらいのメモリを消費しているのかをチェックしてみましょう。

●Windowsの場合

・パフォーマンス

Windows10の場合は、Ctrl+Alt+Deleteキーを同士押しでタスクマネージャーを起動、そこからCPU、メモリ、ネットワークなどの使用状況が分かります。

Windows 8では、[コントロールパネル] の [システムとセキュリティ] → [管理ツール] と開くと [リソースモニター] があります。なお、Windows 8.1では、[スタート] ボタンを右クリックして表示されるメニューから [タスクマネージャー] を起動し、[パフォーマンス] タブに切り替えることでも確認できます。

Windows 7以前では、[スタート] メニューの [アクセサリ] から [システムツール] をクリックし、[リソースモニター] を開くと、CPUやメモリ、ネットワークの状況をリアルタイムのグラフで確認することができます。

もっともシンプルな解決方法は、メモリの容量を増やすことです。メモリはパソコンのメモリスロットに差し込んで使いますが、このメモリを大容量のものに交換するわけです。

ただし、パソコンによって使用できる最大メモリ量が決まっているので、メーカーのホームページなどでチェックしてみましょう。また、メモリを自分で交換することが出来ない方は信頼できるショップや人に頼みましょう。

メモリ量を増やせない場合には、同時に起動するソフトウェアを少なくします。特に辞書ソフトや地図ソフト、3Dソフト、ゲームソフトなどはメモリの消費量が大きくなる傾向にあります。また、マイクロソフトの「Office」などのオフィスソフトも、あらかじめメモリを占有してしまうので注意しましょう。

●Macの場合
Macの場合は、[アプリケーション] の [ユーティリティ] にある [アクティビティモニタ] から [メモリ] タブに切り替えることで、メモリの使用状況を確認することができます。

アクティビティモニターの表示

メモリの使用量が大きく、なおかつユーザーが「root」でないものから、使用していないソフトを終了します。ソフト名をクリックすると以下のような詳細情報のダイアログが表示されます。


この詳細画面からソフトを終了することが可能です。

Macもメモリの増設は可能ですが、一般的にWindowsのPCよりも難しいため、自身でメモリの増設をする際は注意が必要です。

2-2.ソフトウェアが数多く動作している

メモリの項目で説明したように、ソフトウェアがたくさん起動しているとメモリの使用量が増え、パソコンの動作が重くなります。このため、動作が重くなったと感じたら、不要なソフトウェアを終了することになります。しかし、パソコンには自動的に起動して、見えない部分(バックグラウンド)で動作しているソフトウェアもあります。その中には通常は不要なものもあるので、終了させることで動作を軽くできる可能性があります。

[対処法]

●Windowsの場合

現在、パソコン上でどのようなソフトが動作しているのかは、Windowsでは [タスクマネージャー] で確認できます。Windows 8以降では、デスクトップ画面で [スタート] ボタンを右クリックすることでメニューから起動できます。Windows 7では、画面の下側にあるタスクバーを右クリックすることでメニューから起動できます。

ただし、ここにはバックグラウンドで動作しているソフトウェアも表示されるので、不要なものを終了させることができます。ただし、重要なものを終了させるとWindowsの動作が不安定になったり停止するので、初心者にこの方法はお勧めできません。

●Macの場合
Macの場合、[アプリケーション] の [ユーティリティ] にある [アクティビティモニタ] で実行中のソフトウェアを確認することができます。詳細は2-1の項目を参照してください。

2-3.セキュリティソフトがスキャンしている

特定の時間帯にパソコンの動作が遅くなる場合には、ソフトウェアがスケジュールされた処理を実行している可能性もあります。たとえば、セキュリティソフトがパソコンのウイルスチェック(スキャン)を行うと、パソコンが遅くなることがあります。これはバックアップソフトやクラウドストレージが同期中の場合などでも同様です。

また、セキュリティソフトによっては、パソコンのアイドルタイムにスキャンを行い、ユーザーのパソコンの動作を重くさせないものもあります。そのようなアイドルスキャン機能がついたセキュリティソフトを選ぶこともひとつの方法です。。

[対処法]

セキュリティソフトやバックアップソフトなどは、あらかじめ設定された時間帯にスキャンやバックアップの処理を行います。パソコンをよく使う時間帯に設定してあると、動作が重くなり不便です。設定を確認して時間帯を変更しましょう。

2-4.ハードディスクのデータが断片化している

ハードディスクの断片化は、起動時だけでなく、通常使用している際にもパソコンの動作に影響を及ぼします。「1-2:ハードディスクのデータが断片化している」と同様の原因、症状になります。ご参照ください。

2-5.ウイルスに感染している

パソコンがウイルスに感染した場合にも、動作が遅くなる可能性があります。

これはウイルスがバックグラウンドでさまざまな動作をしていることが原因で、ウイルスの種類にもよりますが、パソコン内のデータを外部に送信していたり、不正なソフトウェアを起動させていたり、メール送信を行ったりしています。なお、ウイルスについてはWindowsもMacも同様です。

ただ、近年はウイルスを作成する犯罪者も感染したことがバレないようにするために、パソコンの動作に可能な限り影響を及ぼさないものを作成している傾向にあるので、感染でパソコンの動作が遅くなることはあまり多くはないと言えます。

しかし、その可能性がある限り下記の対処法を試すことが重要です。

[対処法]

パソコンの動作が重くなったと感じたときには、セキュリティソフトでパソコンにウイルスがいないかスキャンしてみましょう。この場合、セキュリティソフトは最新のバージョンを使用し、最新の状態に更新してスキャンします。可能であれば、ふるまいによる検知機能などを複数のセキュリティ技術を搭載したものを使用しましょう。

以下は実績のあるセキュリティソフトの無料体験版一覧です。これらは多くのセキュリティ技術を複数搭載しているのでより安心できます。

パソコン内部の情報を外に出すようなウイルスに感染していたとしても、(ウイルスバスター以外は)それぞれ最適化されたファイアウォールを搭載しており、Windowsの内部から外部に向けての通信を監視しているため、無料ソフトと比べて大切な情報が盗まれる可能性は低いと言えます。(ウイルスバスターはWindows標準のファイアウォールをチューンすることでほぼ同様の機能を実現しています)

期限内はどの製品も有料版と同様の機能が無料で使用できます。(各社仕様が変更になる可能性はありますので、その点はご注意ください)

2-6.(Windows)起動ドライブの空き容量が少なくなっている

WindowsのOS自体が保存されているドライブの空き容量が少なくなってくると、システムが使用できる領域が少なくなり、動作を遅くする原因になります。そこで複数のドライブがあるパソコンをお使いの場合は、起動ドライブの空き容量を増やすことで改善する可能性があります。

Windowsパソコンの場合、左下のスタートボタン→設定(歯車アイコン)→システムをクリックします。ここで左メニューにある「記憶域」をクリックすると、パソコン内の記憶装置一覧が表示されます。

ここで「新しいコンテンツの保存先を変更する」をクリックすると、新たな情報の保存先を起動ドライブ以外のドライブに変更できます。

新しいアプリやドキュメント、音楽、写真といったように、パソコンを使用している中で新たなデータを保存するドライブを変更できます。以下の状態はすべてCドライブになっているため起動ドライブと同じです。起動ドライブの容量があまり大きくないにもかかわらず新たなコンテンツの保存先が起動ドライブになっていると動作を遅くする原因になるので、これを他のドライブに変更してみてください。

2-7.(Windows)不要なファイルがパソコンを圧迫している

すでに使用していない不要なファイルが起動ドライブにたまってしまうと、パソコンの動作を圧迫することがあります。ユーザーが意識していないところで作成されたファイルも多く含まれているため、こうしたファイルはWindowsの機能で削除することができます。

デバイスとドライブの表示画面で、クリーンアップをしたいドライブをクリックすると、上部メニューに「クリーンアップ」が表示されます。


ディスクのクリーンアップ画面が開くので、画面の指示に従ってクリーンアップを完了してください。購入してから一度もクリーンアップをしていないとしたら、これで改善できる可能性が高いでしょう。

2-8.(Windows)視覚効果が負担をかけている

Windowsの視覚効果機能を利用することにより、それがパソコンのパフォーマンスに負担をかけていることがあります。視覚効果を無効化することでその要因を1つ取り除くことができるので、これも試してみましょう。

左下のスタートアイコン→設定(歯車アイコン)→システムの順にクリックします。この画面で「システム情報」をクリックします。

次に、「システムの詳細設定」をクリックします。


次に開いたウィンドウで、「パフォーマンス」の中にある「設定」をクリックします。

パフォーマンスオプションのウィンドウが開くので、ここで「パフォーマンスを優先する」のチェックをオンにすると、視覚効果が無効化されます。

2-9.インストールされているアプリ(ソフト)が多すぎる

必要に応じてアプリをどんどんインストールしていくと、パソコンの中のアプリは増えていく一方です。使わなくなったアプリ、不要になったアプリは適宜アンインストールしていきましょう。不要なアプリはセキュリティの観点からも削除しておくことをおすすめします。

2-10.(Windows)最後の手段は「OSのクリーンインストール」

Windowsパソコンが遅いだけでなく、エラーが頻発したり不具合が多いと感じる場合は、最後の手段としてOSのクリーンインストールがあります。クリーンインストールとは不要なファイルやアプリなどをすべて削除してWindowsをまっさらの状態にすることをいいます。

具体的な手順はデータのバックアップ→Windowsを再インストール→ライセンスを有効にする、という順序で行います。手順についてはマイクロソフトの公式サイトに解説がありますので、そちらもご参照ください。

Windows 10 を再インストールする(マイクロソフト)

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3.グラフィック表示が遅い場合の対処法

ウィンドウを切り替えると真っ白で、表示されるまでに時間がかかったり、デジカメで撮影した写真の表示や動画の再生に時間がかかる。あるいは、フォルダを開いても表示されるのに待たされるようだとイライラしてしまいます。パソコンの動作が遅いという中でも、表示が遅いのはグラフィック系の機能に問題があると思われます。

3-1.グラフィック性能が不足している

パソコンのグラフィック機能とは、モニターの画面に表示するための機能です。グラフィック機能は、パソコンのマザーボードに搭載されているものと、グラフィックボード(グラフィックカード・ビデオカードとも呼ばれる)を使用するものがあります。グラフィック機能もメモリの容量が重要になるので、パソコンのメインメモリを共用するマザーボード搭載のグラフィック機能には限界があります。なお、グラフィックについては基本的にWindowsもMacも同様です。

[対処法]

グラフィック性能の問題で画面表示が遅い場合には、グラフィックボードを高性能のものに替えることが、もっとも手っ取り早い方法です。マザーボードのグラフィック機能を使用するパソコンでも、拡張スロットにグラフィックボードを追加することができます。(ノートパソコンには外付けで接続することが可能です)

ゲームや3Dグラフィック向けに、NVIDIA社のGeForceシリーズ、AMD社のRADEONシリーズなどのGPU (Graphics Processing Unit)と呼ばれるグラフィック機能に特化したプロセッサを搭載するグラフィックボードが一般的です。

グラフィックボードを追加する場合には、まずパソコン側の拡張スロットに空きがあるかどうかを確認します。一般的にはPCI Expressスロットと呼ばれるものですが、スロットにも複数の規格があるので調べておきましょう。グラフィックボードは専用の演算装置(GPU)や大容量のグラフィック用のメモリを搭載しています。グラフィックボードはゲームや3Dなど目的に特化した製品が多いので、購入するときはあらかじめ調べておきましょう。

ただし、高性能のものは消費電力も大きいため、電力が足りなくなる可能性もあります。パソコンに搭載されている電源容量もチェックしておきましょう。また、自分で取り付けが出来ない場合は信頼できるショップや人に頼みましょう。

なお、パソコンのフォルダやウィンドウの動作にアニメーション効果があるなど、デスクトップ表示にテーマが適用されている場合には、その効果を無効にすることでグラフィックの負荷を下げることができます。

これは、[コントロールパネル] の [デスクトップのカスタマイズ] → [個人設定] と開き、[ベーシック] や [クラシック] などを選ぶことで表示の負荷を軽減できます。

3-2.電源容量が不足している

デスクトップやタワー型のPCでグラフィックボードを高性能のものに交換したのに、表示の遅さが改善しないケースがあります。この場合は電源容量を疑ってみましょう。高性能のグラフィックカードはその性能に比例して電力消費量も大きくなるため、パソコンに搭載されている電源ユニットでは電力が足りず、グラフィックカードの性能を生かせないことがあります。なお、電源についてはWindowsもMacも同様です。

[対処法]

電力不足の場合は、電源ユニットの交換がもっとも確実な対処方法になります。一般的なパソコンは250~350Wの電源ユニットが搭載されていますが、高性能なグラフィックカードを使うなら最低でも500W以上にしたいところです。

なお、パソコン内外にいろいろな機器を増設している場合にも、電力が足りずにグラフィック性能が落ちることもあります。まずは普段使用していない機器を取り外してみましょう。また、電源ユニットを交換を自分で行えない場合は信頼できるショップや人に頼みましょう。

4.ウェブブラウザやメールが遅い

ウェブブラウザでのホームページの表示が遅い、メールの送受信に時間がかかるといった場合には、ネットワークに不具合が発生して回線速度が落ちている可能性が考えられます。なお、ネットワークに関してはWindowsもMacも同様です。

4-1.ISPに不具合が生じている

普段と同じようにパソコンを使っていて、急にウェブブラウザの速度が落ちた場合に考えられる原因に、ISP(インターネット・サービス・プロバイダー)に障害が発生していることが挙げられます。この場合、ウェブブラウザやメールの回線速度のみが遅くなります。

[対処法]

ISPのホームページにアクセスして、障害情報のお知らせがないか確認しましょう。また、ルーターやアクセスポイントなど、インターネット関係の機器に異常がないか、ケーブルが抜けかかっていないかなども確認しましょう。


ひとつの例として、こちらはKDDIが公開している「auひかり」の障害情報です。他のプロバイダーでも同様に障害情報が公開されているので、お使いの通信が遅いとお感じの場合はお使いのプロバイダーで障害情報を参照してみてください。

4-2.インターネット回線に負荷がかかっている

契約している回線の種類や使用している機器にもよりますが、大容量のファイルのコピーや送受信をしていたり、「YouTube」やオンデマンドサービスで動画を観ているなど、大量のデータをやり取りしているときはインターネットの回線速度が遅くなることがあります。また、ルーターや無線LANアクセスポイントなどで複数台のパソコンやスマートフォンを接続している場合も、回線速度が遅くなることがあります。

[対処方法]

たとえばADSLでインターネットに接続している場合は、FTTH(光回線)に変更するなど、より速い回線に変更することを検討しましょう。ISPなどの言う回線速度は、あくまで理論上の最大値であり、実際に使用する速度はもっと遅くなります。また、マンションなどの場合は全世帯で回線を分け合う形になるケースが多く、この場合は時間帯などによってさらに速度が落ちることがあります。

4-3.アクセス先のサイトが混雑している

キャンペーンサイトや、オンラインゲームのイベント開催時などは、そのサイトにアクセスが集中することで表示が遅くなることがあります。想定以上のアクセスがあると、そのサーバーがリクエストをさばききれず、読み込みに時間がかかることがあります。

[対処方法]

サイトが混雑している場合は、アクセスする側ではどうしようもありません。しばらく時間をおいて再度アクセスしてみたり、混雑しないような時間帯にアクセスするなど工夫するしかありません。

5.今のパソコンでは根本的に解決しない場合

この記事を解説した方法を試してもパソコンが遅い問題が改善しない、そもそもパソコンそのものが古いことに原因があると思われる場合は、パソコンの買い替えを検討するのもひとつの選択肢です。ここではパソコンを買い替える場合のポイントを解説します。

5-1.買い替えを検討するのは、こんな時

パソコンの進化は日進月歩で、そのパソコンの用途もどんどん進化しています。同じパソコンを数年使用しているだけで新しいことをしようとすると機能が追い付かず、動作が遅くなってしまうことは多々あります。

その場合は買い替えを検討してみてください。新しいパソコンは動作が速いだけでなく最新のアプリなどに最適化されているので不具合も少なく、快適かつ安全なパソコン利用にも役立ちます。

5-2.買い替える際のパソコン選び3ポイント

パソコンを買い替える際に、スピードを重視するのであれば以下の3点をチェック項目としてください。

5-2-1.ハードディスクよりもSSDを選ぶ

パソコン用の記憶装置として広く用いられているのが、ハードディスクとSSDです。スピードで比較するとSSDのほうが高速なので、起動や動作などあらゆる面でスピードを重視する方はSSDモデルを選択することをおすすめします。ただしSSDは大容量になると高価になるので、起動ディスクのみSSDにして大容量ドライブはハードディスクにする、といった構成も有効でしょう。

5-2-2.メモリ容量を大きくする

パソコンのメモリは、作業デスクに例えることができます。実際にデスクが広ければいちいち道具や資料などを片付ける必要がないので作業能率は向上しますが、狭いとそれらの出し入れ作業が増えるため、作業の効率が低下します。

パソコンにもこれと同じことが言えるので、メモリ容量は可能な限り大きいなものを選ぶのが有効です。オプションなどで選べるのであれば、予算が許す限りメモリを大きくしておきましょう。

5-2-3.必要なパワーを持つCPUを選ぶ

CPUはパソコンの頭脳です。CPUのパワーが高いほど動作は速くなるので、パソコンを買い替える際には必要なパワーを持ったCPUを搭載しているものを選びましょう。

CPUについても常に新しいモデルが発売されており、新しいパソコンには新しいCPUが搭載されています。AMD社のRyzenシリーズやintel社のCore iシリーズが一般的ですが、必ずしも最新のCPUである必要はありません。1つ前の世代であっても十分なパワーを持っているので、ゲームなどハイパワーが求められるような用途でなければ一世代前のCPUでも十分です。

5-3.新しいパソコンでは必要なアプリ以外インストールしない

新しいパソコンを買ったら、不要なアプリはできるだけインストールしないように心がけましょう。動作が遅くなったと感じていたパソコンには不要なアプリがたくさんインストールされていたかもしれません。最初からそれをしないように心がけることで、同じ問題の再発を防ぐことができます。

5-4.購入直後からセキュリティソフトを有効化しておく

前まで使っていたパソコンのセキュリティ事情がどうであったかにかかわらず、新しいパソコンでは購入直後にセキュリティソフトを導入し、有効化しておきましょう。これにより、「セキュリティソフトを導入する前にウイルスが侵入した」という問題を予防でき、リスク削減だけでなく動作が遅くなる原因を断つことができます。

Windows10では初期状態でDefenderというセキュリティソフトが入っているので何も入れなくても無防備になることはないのですが、特にネットを使った買い物など、PCでお金を扱うのであれば有償で提供されているセキュリティソフトを購入して有効化しておくのが最も確実です。

6.よくある質問

・パソコンが遅いのはなぜですか?
いろいろな原因が考えられますが、パソコンが全体的に遅い場合はアプリの立ち上げすぎによってメモリが足りなくなっている可能性があります。
何もアプリが動作していない、または必要最低限のアプリしか立ち上がっていないのに遅い場合は、メモリ不足やパソコンが古くスペックが足りていない可能性があります。

・パソコンが遅い場合の対処法は?
Windowsの場合「スタートアップ」内にあるWindowsと同時起動するソフトウェアを確認して削除したり、常駐している不要なアプリをアンインストールしたりすると良いでしょう。
Macの場合「システム環境設定 - ユーザーとグループ」からログイン時に開くアプリを調べ不要なアプリが立ち上がらないようにすることができます。

・パソコンは何年くらい使えますか?
「どのような用途で使用するか」「どのようなスペックのパソコンなのか」によって大きく変わりますが、一般的に4-6年程度だとされています。(故障するわけではありません)
高性能なものであれば、長く使えるかもしれません。しかし、そうでなければもっと短いかもしれません。極端な例ですが、常に最高の環境でゲームをしたい場合などは、常に新しいものに買い替えが必要なのかもしれません。

7.まとめ

パソコンの動作が遅くなる原因にはさまざまなものがあり、原因を特定して改善するにはそれなりの技術と知識、経験が必要になります。ここでの解決策を試しても改善されない場合には、思い切ってパソコンを買い換えることもひとつの解決策です。

インターネットやパソコンの技術は日々進化しており、古いパソコンでは最新の技術に対応できなくなり、結果として動作が遅いと感じることが少なくありません。もし4~6年使っているパソコンであれば、当記事で解説したポイントを参考に買い換えも検討しましょう。

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※記事内容の利用実施は、ご自身の責任のもとご判断いただくようお願い致します。

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